商品コード:1312-062[DGG] E.ナイ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ14番「月光」, 23番「熱情」
商品コード: 1312-062
商品詳細:エリー・ナイ(1882 - 1968)はドイツ・デュッセルドルフ生まれの女性ピアニスト。強烈な個性の持ち主のベートーヴェン弾きとして知られている。ベートーヴェンの孫弟子にあたるテオドール・レシェティツキー、フランツ・リストの弟子にあたるエミール・フォン・ザウアーといった名教師に師事。1904年にはケルン音楽院の教師となり、同時にSPでデビューした。1921年からは夫とともに活動の拠点をアメリカに移し、ベートーヴェン、ショパン、ブラームスの演奏家として名声を博した。1930年にヨーロッパに帰還後は、バックハウス、ケンプとともにドイツを代表するピアニストとして演奏、録音に活躍。しかし1937年にナチ党に入党し、ヒトラーから「教授」の称号を与えられ、ナチス占領地域を含めて活動したため、戦後はそのことが仇となり、連合軍により1952年まで演奏活動の停止を命じられた。再び活動を再開したとき、70歳の高齢に達していた為に録音は極めて少ない。1956年前後にDGGにモノラル録音した2枚のベートーヴェン・ソナタ4曲(8・31・14・23番)がLPとしては代表作となる。この2枚しか録音がないことを残念に思われるだろう。SP期にはそこそこの録音があるがLP化は1970年代であり、音質の点で2枚のベートーヴェン・ソナタには及ばない。他1955年~1956年TELEFUNKENに録音したベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲(ルートヴィヒ・ヘルシャー)が主役ではないが重要な録音といえる。晩年は独Colosseumレーベルにかなりの数を残したが既に80歳近い高齢となっており、黄金期のタッチは望めないのが実情である。但し当年代の若手ピアニストと比較すれば遥かに優れたものであることは想像がつく。 尚、ソナタの4・32・8・27番はSP時代の録音がある。また1960年代にColosseumに少なくとも30・21・23番の3曲はステレオ録音している。またベートーヴェンの協奏曲3・4・5番は1960-61年に夫であるヴィレム・ヴァン・ホーフストラーテン/ニュルンベルクso.とステレオ録音している。1940年にボン市からベートーヴェン賞を授与された。ナイのピアニズムといえば狂気に似た怒涛の表情を連想する方が多いが、彼女の凄さはそこではない、むしろ静寂さえ感じさせる澄んだ音色を出せる点にある。諦観にも似た境地に至る静かで小さいが心に沁み込む説得力の強い音こそが、ナイがナイである由縁と言える。
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