商品コード:1313-042[VÉGA] I.ビレット(pf) / プロコフィエフ:Pfソナタ7番「戦争ソナタ2番」, バルトーク
商品コード: 1313-042
商品詳細:女性ピアニスト、イディル・ビレット(1941-)はトルコ・アンカラ生まれ。フランス人ではないのでビレットと発音する。トルコ議会の特別法のお蔭で幼くしてパリに留学し、パリ音楽院に入学。ミトハト・フェンメンに5歳で入門してピアノを始める。ナディア・ブーランジェらの指導を受ける一方、マドレーヌ・ド・ヴァルマレットにも学ぶ。15歳のとき3つの部門で受賞して卒業すると、コルトーやヴィルヘルム・ケンプに師事して更に研鑚を積んだ。1950年代よりVÉGAと契約、モノラル期から録音を開始、2000年代に入るとCDレーベルのナクソスに盛んに録音をしている。ビレットのレパートリーはかなり幅広く、バッハから現代音楽にまで跨っている。トルコ人ピアニストといえば米国生まれのR.テューレックを思い出す。トルコのような欧州とアジアの境の辺境にも才能はひょっこり出現する。その才能を育て完成させるメソッドを最初に打ち立てたのがパリ音楽院だろう。A.コルトー、N.ブーランジェ、M.ロンは自身の演奏だけでなく後進を育て自身のピアニズムを繋げている。この録音はデビュー盤であるブラームスの1つ後の番号なので録音も殆ど近いと思われる。まだ20歳頃の録音だろう。しかしデビュー当時というのに何という選曲だろう。わざわざ難易度の非常に高い作品ばかり集めた気がする。少なくとも得意のブラームスよりビレットを最も輝かせる作品たちである。ビレットの魅力は技巧だけではないが、ここでは彼女の持つ正確で然も迷いなく鍵盤を支配する能力が最大限に効力を上げている。表現力はロシアン・スクール顔負けの素晴らしさ。プロコフィエフの7番は強烈な不協和音で知られる曲だがビレットのアプローチは楽しめる不協和音と展開の面白さに満ちた、調和の7番といえる。バルトークはこれほど親和感のある演奏は過去に経験がない。技巧だけに走りがちな作品群だが物語性と美しさ、楽しさに満ち満ちており、針を上げようとは思えないバルトークが連なる。異常なほど親近感を感じるバルトーク。圧倒的!これはビレットの第2作LPで20歳頃の録音と思われる。1962年リリース。
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