商品コード:1314-048b[PHILIPS] H.シェリング(vn)/ ベートーヴェン:Vn協奏曲
商品コード: 1314-048b
商品詳細:シェリング3度目の録音である。6500…と言えどもオリジナルの音は非常に良い。この録音でシェリングのソロは以前にも増して艶やかな絹のような美音を出している。グリュミオーと双璧と言えるほどの美しい音色だ。表情は豊かで'70年代としては総合的に見て、第一級の録音と言える。'50年代のシェリングとは又異なる魅力が味わえる。仏初出ジャケは棚の中で場所をとるが、存在感の大きな一枚。また音質も'70年代に入り群を抜く。初回録音は1950年録音にODEONにティボー指揮のモノラル録音(ODX 109)があり、それも高額。2回目はH.シュミット・イッセルシュテット指揮ロンドンso.との1965年7月PHILIPS録音であった。3回目はハイティンク/コンセルトヘボウo.との共演でアムステルダムでのステレオ録音。イッセルシュテットとの2回目が素晴らしく良かったのでそれを超えることは出来ないのは当然だろう。シェリングのソロは2回目より、際立って良いわけではない。相変わらずきりりとした綺麗な音を出している。コンセルトヘボウ管弦楽団はやはりロンドンso.とは異なり、何所か木の香りが感じられる。2回目よりややゆっくりしたテンポで格調高さは増したように感じる。録音の違いか細かいニュアンスまで手に取るように感じられる。スケール感はやや小さくなったが、音の繊細さがより丁寧になっている。気品すら漂う極上の表現である。基本は2回目と同じスタンスだが細部が異なるので、そのあたりを比べる事は面白いだろう。ブラームスでも書いたが、録音は1950/60年代とは異なり、マイクがやや遠くなった印象で、個別の音というより、スタジオ全体を拾うというスタイルに変化している。これは時代的な趨勢であり、どのレーベルも同様の変化をしており、いかんともしがたい現実である。1970年代のステレオとはこういうものであると割り切っていただくほかはない。利点はオケも含めて全体がスッキリ見渡せる点であり、ソロにフォーカスしない実際のコンサートの雰囲気を伝えている。時代はこの後デジタル期に入り不自然なエコーが付いたりするので、それよりはずっと良い。
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