商品コード:1314-045[PHILIPS] イ・ムジチ R.ミケルッチ(vn) 他/ アルビノーニ:作品集
商品コード: 1314-045
商品詳細:さすがに落ち着いているが、クリアーで豊かな音質。まったく文句のつけ様がない再生音。アルビノーニのアダージョは名曲ながら短い曲。リステンパルトのERATO盤が思い出されるが、やはり同じイタリアの演奏家となれば、勿論これが決定盤だろう。演奏者がそれぞれ持つ固有の色合いの様なものがあり、イ・ムジチの場合それは理屈抜きに陽性であり、深刻なメロディーになったとしても変わる事はない。これがイタリアの色合いなのだろう。アダージョに関しては逸話があることもご存じだろう。1960年代に公開された映画『審判』で観るものに鮮烈な印象を与えた曲「アルビノーニのアダージョ」。映画の公開とともに大ヒットとなり、バロック名演集などの企画では頻繁に演奏されることとなる。楽譜の出版は1958年。楽譜のタイトルは、「アルビノーニによる2つの主題のアイデア、通奏低音に基づく弦楽とオルガンのためのアダージョ ト短調」、楽譜にレーモ・ジャゾットのサインがあった。ジャゾットは、20世紀に活躍したイタリアの音楽学者。彼によれば、第2次大戦で破壊されたドイツ・ドレスデンの図書館でバロック時代の作曲家アルビノーニの自筆譜の断片を発見し、それを元にこの「アダージョ」を作り上げた、とのことであった。この曲が発表された当時は、空前のバロック音楽ブームで1969年にはカラヤンも「アダージョ」を録音。以後、この曲は、映画やテレビなどで繰り返し使われ、クラシック音楽の中でも指折りの人気曲となった。しかし、研究者たちは発表当初から疑問を呈していたらしい。最終的にジャゾットが亡くなる数年前に残したコメント--「私は、アルビノーニを忘却の淵から救いたかった。アルビノーニが書いた音楽を実際に聴けば、彼への関心が高まるだろうと思い、この曲を作りました。それは、私自身の純粋な楽しみでもあったのです…」。これで謎は解けて、レーモ・ジャゾットの作ということで決着がついたかに見えた。しかしこの「アダージョ」は今以ってアルビノーニ作品としてまかり通っている。事情を知っている記述者だけが様々な注釈やコメントを入れて表記するが、全く関係のないアルビノーニの文字が消えることはない。それほどアルビノーニと「アダージョ」は不可分となってしまっている。当社ではある記述者の表記を使用し、アルビノーニ:アダージョ(レモ・ジャゾット真作・伝アルビノーニ)、と表記することとした。名曲であることに変わりはない。イ・ムジチの明るい音色で聴くアダージョもまたなかなか良い!
イ・ムジチの在庫一覧へ