商品コード:1316-042[COLUMBIA] E.ギレリス(pf)/ ラフマニノフ:Pf協奏曲3番
商品コード: 1316-042
商品詳細:旧ソ連のギレリスに対し、オケがクリュイタンス/パリ音楽院o.という、ベートーヴェン3番と同じ西側フランス録音。Vnのオイストラフと同じく、ピアノではギレリスがソ連の看板を背負ってソ連の芸術水準の高さを西側にアピールしていた。同時に外貨獲得の目的もあったろう。ギレリスは例外的に西側での自由な活動を許された。1937年までモスクワでネイガウスに師事、晩年にDGGにベートーヴェン・ソナタ全曲録音中の1985年に亡くなった。これは1955年録音。意外なほど柔らかく、リアルで美しいタッチのギレリス。一音の深みはステレオでは表現できない。皇帝と同じデザインのカッサンドル工房のジャケットなので曲を間違えないように注意されたい。なお初出ジャケットはギレリスの写真を使ったペラジャケット入りだが、カッサンドル工房の棒付ジャケットの方が味わいがある。中身は同じ内溝フラット盤入りの場合と段付グルーヴガード盤入りの場合があるので注意。日本でエミール・ギレリス(1916-1985)は大きく評価が分かれるピアニストだろう。ウクライナ・オデッサのユダヤ人。1936年にはウィーン国際コンクールで第2位となり、1938年にはブリュッセルで行われたイザイ国際コンクールで優勝した。1947年からヨーロッパで演奏旅行を始める。スターリン政権下において、基本的に西側諸国での活動は認められていなかったが、1955年にはダヴィッド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチとともに西側での演奏旅行が許され、ニューヨークなどを訪れた。また、1956年に日本も訪れた。1955年にはフィラデルフィアでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏し、アメリカ・デビューを果たした。ソ連政府からは、1946年にはスターリン賞、1961年と1966年にはレーニン勲章、1962年にはレーニン賞をそれぞれ受賞している。鋼鉄のタッチと通称される完璧なテクニックに加えて甘さを控えた格調高い演奏で知られるが、曲によって柔軟にスタイルを変化できる器用さを持ったピアニストである。ベートーヴェンの演奏で評価が高いが、実際ベートーヴェンではギレリスの個性が強く出る。逆にラフマニノフのような曲ではアンチ・ギレリス派でも楽しめる柔軟さで対応している。しかしきっちりと旋律を明らかにする傾向は同様である。
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