商品詳細：L.マゼール、P.ブーレーズ、N.サンティの3巨匠と各国オケの組み合わせによるロシアバレエ音楽集。「火の鳥」「春の祭典」、そして「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」(抜粋)など、バレエ作品の超名曲がこれ一箱で楽しめる。ストラヴィンスキーとチャイコフスキーという、かなり異色同士のドッキングだが、こうして対の位置取りから聴いてみると、それぞれの作品・作曲家に対し、シングルで聴いていては気付けなかったであろう、意外な陰影が浮かび上がってきて面白い。ストラヴィンスキーの、音楽を非抒情的・至極客観的なものとして試みたアンチテーゼの精神は、作曲家としてのチャイコフスキーを全く評価しなかった。しかし皮肉にもというべきか、この2人の人物はそれぞれ全く違った価値観・アプローチによって、何か音楽の中核としか言いようのない同一の場所へと迫っていく。その潔癖なまでの純粋さ・烈しさという点では、彼らは共通しているようにさえ思える。こんな発見もまた、様々な演出(解釈)の色が加わった舞台上ではなく、「耳で味わうバレエ」だからこそ、出会える醍醐味ではないだろうか。(KT)

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