商品詳細：ラモー最晩年の不運な傑作「レ・ボレアド」。素材はギリシャ神話に遡り、北風の神ボレアスの血を引く子孫ボレアドと国のしきたりで婚約が決まっている女王アルフィーゼ、そしてアルフィーゼが思いを寄せる出自不明のアバリスとの関係を描く物語。最近でこそバロックの重要なレパートリーに数えられるラモーの作品だが、これまで音楽史の一貫として演奏や録音はされてきたものの、そこに芸術性に対しての正統な評価が伴っていたかというと、決して充分ではなかった。特にオペラは深刻で、この作品は生前の初演計画も打ち切られ、以後長い間様々な不遇が重なり、なんと明確に公の場に出たのは没後200年記念式典('64年仏ラジオ放送)というのだから驚きである。それから更に18年後'82年7月、エクサンプロヴァンス音楽祭でガーディナーの指揮により世界初の本格上演・録音が叶った。こんなにも色感の豊かな響き、澄んだメロディーの美しさを持ったラモーの感性。これからの時代、その存在はますます大きなものになるだろう。(KT)

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