商品詳細：1978年、全4曲の世界初録音。クレメンティ(1752-1832)はバッハ没の2年後イタリアに生まれ、ロシア皇帝(当時は「大公」)の前でモーツァルト(当時25歳)と競演したことで知られる。ピアノ作品では先駆的な重役を担った作曲家だが、交響曲もまたケルビーニのニ長調と並び、イタリア作曲家のウィーン始め全欧での成功例として挙がる堂々とした作品だ。若い頃は既に90曲以上を作曲していたハイドンの力量の闇に埋もれて随分苦労したところもあったようだが、ハイドン、モーツァルト、そして若きベートーヴェンとも接点を持ちながら、あらゆる音楽事業をマルチにこなした器用な人物でもある。いざ聴いてみると、ハイドンのような斬新さこそないが、小編成とは言え、旋律が生き生きと躍動する作風で、案外耳馴染みが良いことに驚く。クレメンティの存在は、ピアノ作品以外でもこれまでの評価が真のものであったか、今一度その価値を見つめ直す必要があるだろう。

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