商品コード:1321-017[PHILIPS] G.ピーターソン(cl) P.ピエルロ(ob) A.グリュミオー 豊田耕児(vn) 他/ モーツァルト:Cl五重奏曲
商品コード: 1321-017
商品詳細:アルテュール・グリュミオー(1921- 1986)がモーツァルト等の室内楽を積極的に録音するようになるのは、1970年代の半ばからである。通常のヴァイオリン奏者は50代にさし掛かると体力的に負担の少ない室内楽録音に移行してゆく傾向があるが、多忙なグリュミオーの場合も例外ではない。1966年に弦楽トリオであるグリュミオー・トリオを結成した。メンバーはVn:グリュミオー、Va:ジョルジュ・ヤンツェル、Vc:エヴァ・ツァコ(ヤンツェル婦人)の3人。多くの録音がグリュミオー・トリオにゲストを迎える形で行われたが今回の2曲は全くグリュミオー・トリオとは関係のないメンバーが集まった。K.581では第2Vnに日本人ヴァイオリニストでバッハのB.1043に共演(1970年)もある豊田耕児。ヴィオラにマックス・ルシュール、チェロにヤーノシュ・ショルツを迎えた。主役のクラリネットはオランダのゲオルグ・ピーターソン(1942-2016)。マックス・ルシュールは弦楽五重奏曲全集でグリュミオー・トリオに第2Vaで参加している。ヤーノシュ・ショルツは今回初参加となる。1970年バッハで共演した豊田耕児はどうやらグリュミオーから厚い信頼を受けたようである。B面のOb四重奏曲K.370ではオーボエにフランスから大御所ピエール・ピエルロ( 1921年 - 2007)が参加。余程のことがない限りPHILIPS録音が実現するとは思えないがグリュミオーの人脈が可能にしたのだろう。バックはK.581から豊田耕児が抜けた形となる。この録音は一見地味なPHILIPSの1970年代録音の一つに見えるが、よくメンバーを見てみると意外や特別な録音であったことがわかる。協奏曲より注目度は低かったが、改めて聴いてみると、グリュミオーが参加している室内楽は年代に関係なく、彼の音楽性が一貫して支配的であり、充分推薦盤に値する内容であることがわかってきた。K.581のようなポピュラーな曲にさえ、その言葉は当てはまる。名手が一人いるだけで、音楽は生命力を持つことを知るはず。この曲を聴き飽きた方に是非。K.370ではピエルロのオーボエが効果的な気分を出し初共演のピエルロ対グリュミオーのあり得ない協調がまた面白い。
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