商品コード:1323-038b[Charlin] J.アラン指揮 /フランク:オラトリオ「至福」
商品コード: 1323-038b
商品詳細:セザール・フランクのオラトリオ「至福」は1869~1879年の作。この曲はジョゼフィーヌ・コロムによるマタイの福音書をテクストとしている。パリでの完全な演奏は1893年3月19日のコンセール・コロンヌによる演奏が最初となった。日本初演は1974年9月15日に東京文化会館で行われた。演奏時間は約2時間弱であり、フランク作品の中でも最大規模である。フランクにとって自信作だったにもかかわらず、その長大さや構成の単調さから演奏機会は決して多くない。フランクの死後から1920年代までは特に人気のある作品だった。ダンディは「過去長い間の音楽の発展において一席を占める紛れもなく極めて偉大な作品」と評したのに対し、クロード・ドビュッシーは「少し安易にドラマティックに流れる」が「どこを切っても同じ美しい音楽しか出てこない」と述べている。ノルベール・デュフルクは「いくらか長すぎるところや短すぎるところがあるにもかかわらず、フランス語によるオラトリオの模範として残る作品」と評している。ヘルムート・リリング、ラファエル・クーベリック、アルミン・ジョルダン等も録音しているがジャケットには世界初録音と表記があり、ジャケット裏には「人間の価値を守るためのユネスコの素晴らしい取り組みに敬意を表して(En Hommage A L'Unesco pour son magnifique travail de sauvegarde des valeurs humaines)との但し書きが添えられている。またChamps-Élysées Recordsとの共同制作の表記があり、Champs-Élysées Recordsなる組織が何らかの利害関係を持っていたものと思われる。シャルランは時に大掛かりな宗教作品の録音を過去にも行っている。1965年にスペイン・バルセロナで「ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉(管弦楽版)」を録音している。やはり2枚組のWジャケットで発売された。これは久々の大作録音で1962年パリ・ノートルダム寺院で行った。シャルランは1970年代に入ると弟子に録音を任せるようになるが、大作は自分が出てくる。世界初録音とくれば当然だろう。オラトリオ作品の大半がドイツ語で書かれているが、これはフランス語のオラトリオ。気合が入るのも当然だろう。やはりシャルラン録音特有の無の空間から突然音が降って来るような独特の雰囲気が感じられるワン・ポイント録音。規模の広い教会内部をイメージさせる最良の録音手段で間違いないだろう。宗教作品の録音を大量に手掛けたERATOでさえ、この雰囲気を出すことは出来なかった。ここにシャルランの録音技術の集大成がある。柔らかく穏やかなテノールが闇の中から浮かび上がり、大海に包まれるような合唱の響きは、曲を超越した芸術である。興味の薄い方もこの録音を聴けばワン・ポイント録音を理解されるだろう。指揮者のジャン・アランに関する情報はないが、マリ・クレール・アランの兄ジャン・アラン( 1911 - 1940)の血縁者の可能性がある。
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