商品詳細：ロマン派室内楽の名曲ブラームスSQ/シューマンPf五重奏のカップリング。ブダペストQt.のメンバー(Vn1:ロイスマン/Vn2:A.シュナイダー/Va:クロイト/Vc:M.シュナイダー)が招いたピアニストはR.ゼルキンだった。2代目リーダーのロイスマン率いるブタペストQt.は、渋さや厳しさを手放さない骨格のはっきりした演奏が持ち味でもあり、ことにベートーヴェンやブラームスではその本領を発揮する。ところが、シューマンという作曲家は、それだけでは収拾のつかないものを孕んだ人物であり、その課題をゼルキンのピアノがよく繋ぎ止めている。このピアニストとQt.に共通するのは、音の硬質な透明感と、音楽づくりに対する凛とした姿勢、それらが互いの交差点となり、時折ピアノがいい塩梅にきっかけを作っては、弦楽四重奏の時とはまた一味違った方向へと音楽が爽やかに広がっていく。この思いがけなさがなんとも心地よい。少しごつごつした質感の演奏で、肌触りのよい抒情性こそあまり感じられないが、蔦のように絡みあう様々な気分の移ろいを経て、終盤に純粋な思いがはっきりと意志を持って貫かれる頃には、これこそが真の意味でのシューマンならではのロマンティシズムかもしれない、そんな風に説得されてしまう。(KT)

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