商品コード:1325-063c[DECCA] A.d.ラローチャ(pf) / グラナドス:ゴイェスカス(恋する若者たち)全8曲~7曲
商品コード: 1325-063c
商品詳細:1976年の録音。特別レアというわけでもないが、スペイン音楽をこれだけ優美に上品に弾いてくれるピアニストは、ラローチャをおいて他に居ない。イベリア系ピアニストはどうしても土地の色合いをそのまま持ち込みがちであるが、他国の人にそれは少し抵抗が強い。中華料理もその国々で味付けが少しづつ異なるように、ラローチャはスペイン音楽の国際化を見事に果たした。心温まる安らぎをもたらしてくれる。ピアノ組曲「ゴイェスカス」はスペイン系のピアニストにとって非常に重要且つ、代表的な作品である。グラナドスはピアノ組曲の最初の6曲を1911年に作曲し、後に自身の手でオペラに改作している。オペラは1916年に作曲され、サルスエラの様式で作曲され、3幕から成るが全曲を通して演奏しても50分に満たない。初演は1916年1月28日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場だった。グラナドスは、この作品の初演の為に夫婦で渡米し、帰路の船でドイツ軍潜水艦による無差別攻撃に遭い、悲劇的な最期を迎えた。当初の6曲に「補遺」とされる7/8曲目の2曲(わら人形 /ゴヤ風のセレナーデ)が追加されて演奏されることはステレオ期に入ってからのことでモノラル期の録音は殆どが補遺を除く6曲であった。第7曲の「わら人形」は、最初から正編6曲の中に含まれていたわけではなく、同名オペラの第1曲の編曲に他ならないが、現在では正編とまとめて演奏されるようになりつつある。因みに「わら人形」は、グラナドスの「ゴヤ風」の作品の中では唯一、現存する絵画に実際に対応した楽曲である。第8曲「ゴヤ風のセレナーデ」は、1909年に『ゴイェスカス』の草稿として作曲されながらも、正編から外され、近年に再発見されるまで長年忘れられてきた。従ってラローチャの録音に8曲目の「ゴヤ風のセレナーデ」が入っていないのは当然といえる。第7曲目の「わら人形」(補遺の第1曲)がこのLPに収録されているのはむしろラローチャのサービス精神の表れと見るべきなのだろう。
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