商品コード:1326-035[La Voz De Su Amo] S.フランソワ(pf)/ プロコフィエフ:Pf協奏曲3番, 他
商品コード: 1326-035
商品詳細:フランソワはプロコフィエフPf協奏曲3番を2度録音。これが初回モノラル録音。2度目はロヴィツキ/パリ音楽院o.と'60年代。クリュイタンスとは1回だけで、英国では33CX 1135('54年)。ピアニストとしてのフランソワは、ショパンばかりでなく、このような技巧的な曲も好んでいたようだ。しかし、彼のピアノは充分にヴィルトーゾチックであり、譜面通りというよりは、自身の言語で語り、自身の音楽性を確かめるかのように舞台の上を踊りまわる。彼の隠れた一面を見る思いがする。A.クリュイタンス指揮パリ音楽院o.とは有名なラヴェルのPf協奏曲2曲を録音しているが、この録音はラヴェルよりずっと前の1953年録音である。クリュイタンスにとっては唯一のプロコフィエフ録音となった。プロコフィエフ演奏は1960年代後期頃からとにかく技巧を全面に押し出すスタイルが定着したが、フランソワは違ったアプローチで演奏している。そもそもフランソワに1970年代以降のような超絶技巧のスタイルは持ち併せていない。ラヴェルやドビュッシーに使う技巧と近代プロコフィエフ演奏とは異なるアプローチとなるのが当然だろう。しかし当時のフランソワにはラヴェルとプロコフィエフが同じで何処が悪いか?というスタンスが感じられる。これはフランソワらしさが出たプロコフィエフであり、ロシアンスクール生による演奏ではない。不協和音など効果的に配し物語り風に演奏したプロコフィエフPf協奏曲3番である。1950年代には普通にあり得たスタイルであるが、1980年代以降は絶滅したスタイルである。力と説得力を持つピアニスト以外がやっても破綻する手法であり、フランソワだからこそ曲として成立しているのである。所謂名人芸的演奏であり、それを近代の演奏と比較しても意味がない点を理解された上でこの演奏を評価する必要がある。
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