商品コード:1326-004[Archive] A.ヴェンツィンガー(gamb) F.ノイマイヤー(cemb) / バッハ:3つのGambソナタ
商品コード: 1326-004
商品詳細:世界初のヴィオラ・ダ・ガンバによる録音の可能性が高い録音。 世界初の古楽器アンサンブル、バーゼル・スコラ・カントルムのリーダー、アウグスト・ヴェンツィンガーは、1905年バーゼル(スイス)に生まれ、教育者としても活躍。これは2番'50年、1番'51年、3番'52年に録音され、ガンバ演奏の規範となっていたが、新しい奏者の出現により忘れられた録音である。しかし、この演奏こそが、この曲のあるべき姿であると思う。ゆったりしたテンポで語られる演奏はバッハが描き出そうとしたケーテンの空をイメージさせてくれる。ガンバによる演奏では最初にして最も重要な録音であることは確か。1970年頃エドゥアルド・ミュラー(cemb)と2回目の録音を果たしたがこのイメージが再現されることはなかった。1950年代中期以降ではチェロで演奏されることが通例になってしまったガンバ・ソナタだが、バッハ以前の時代には弦楽器と言えば殆どがガンバ属しかなかった為、バッハは明確にヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタと楽譜に記載している。1950年代は特にヴィオラ・ダ・ガンバのような一時絶滅した楽器は入手自体が困難であり、チェロとは全く構造も奏法も異なるため、専門の訓練を必要とする楽器である。チェロ奏者なら弾けるという楽器ではない。絶滅した原因は音量の小ささと地味な音色にある。ヴァイオリン属であるチェロは音量が大きく輝かしい音色が出るため、ガンバは、バッハの次の時代には使用されなくなっていった。バッハのガンバ・ソナタがチェロで演奏されるのは時代の必然だったといえる。しかしバーゼル・スコラ・カントルムは世界で初めて体系的に古楽器演奏を学ぶ教育機関として1933年にパウル・ザッハーにより創立された音楽大学である。ヴェンツィンガーは1934年よりバーゼル・スコラ・カントルムにヴィオラ・ダ・ガンバの教授として参加した。また指揮者として、長年バーゼル・スコラ・カントルムの合奏団を率いた。この録音は正にヴィオラ・ダ・ガンバの先駆者として世界に発信した画期的な録音であり、教授としての権威を象徴する録音となった。ガンバの特長を生かして、しかも明快な旋律線をくっきり浮かび上がせた見事な演奏だった。多くのヴィオラ・ダ・ガンバを目指す音楽家への高い見本となったはずである。表現力の点でチェロに劣るガンバだがバッハが意図した音楽はガンバで演奏された時だけに完全な形で姿を表すはずである。これは古楽器礼賛とは全く異なる世界であることはご理解いただけるだろう。ヴェンツィンガーの初回録音を超える演奏にはなかなかお目にかかれないのが実状。
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