商品コード:1326-001n[MELODIYA] S.リヒテル(pf) / バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻(全24曲)
商品コード: 1326-001n
商品詳細:1970年(第1巻)と72-3年(第2巻)にザルツブルクの宮殿でスタジオ録音されたもの。今以って一つのスタンダードとしての価値は揺るぎない。正直、音像が遠い録音は優秀とは言い難く、また各国様々なプレスがそれぞれ異なる音質で、複雑な様相を呈する。厳密には独EURODISCがオリジナル。人気はMELODIYAとETERNAに二分。特にMELODIYAの柔らかい音質はリヒテルの幻想的スタイルを更に良い雰囲気に。完全な形での入手は難しい。一つあって然るべき内容。最新の情報でこういうものがあった。「従来クレスハイム城での録音と信じられてきたが、実は第1巻はそれ以外にエリザベート教会(クレスハイム城と同じく、ザルツブルク市内にあります)でも録音していた、また第2巻も、実はウィーンのポリヒムニア・スタジオ録音分が入っていたとのこと。ただし、具体的にどの曲がどこの録音か、というところまでは残念ながら分かりません。」その為か曲により録音状態にバラつきがあるらしい。特に第1巻にはテープヒスが多いらしい。また第1巻はピアノの音が引っ込んでいて音質はお世辞にも良いとは言えない。第1巻でも後半から音質が良くなるのでエリザベート教会での録音分ではないかと考えられる(第15番から第21番)。1972-3年録音の第2巻は第1巻よりずっと音質が良い。一部の研究者はクレスハイム城の残響が大きすぎて、一部を取り直したが全部はできなかったので継ぎ接ぎ状態となってしまった。第2巻は後で全曲スタジオで直したのではないか?レコードでは第2巻は全てスタジオ録音に差し替えた可能性を指摘している。十分にあり得る話である。元々何故音響の良くないクレスハイム城で録音することとしたのかが大きな疑問である。この録音は世界的にも有名でCD化され、様々な会社が個別にCDを出し、音質もそれぞれ異なるらしい。数種を買い込んで違いを愉しむ方も多いと聞く。しかし録音は戻らない。録音された音が気に入らないからと言って、電気的な後処理は宜しくない。LPにも違いはあるが、当然録音された当時の音をマスタリングして発売される。我々は音楽家なり、プロデューサーが制作した芸術を素直に受け取る以外に方法がない。どのLPにするかという選択は勿論ある。しかし、「録音そのものを尊重する」という基本姿勢を貫くことで芸術は愉しみたい。デジタル技術の発達で後から録音自体を変えることができる昨今だが、それはCDの世界という別の領域の話である。
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