商品コード:1329-035[HMV] J.ハイフェッツ(vn) / ブラームス:Vn協奏曲
商品コード: 1329-035
商品詳細:ライナー/シカゴとのブラームスはRCA録音なので、殆どの方はLMナンバーの米プレスでお持ちのことだろう(モノラルのみ)。これは'56年英国発売。この頃までのハイフェッツはSP期のスタイルを色濃く残していて、ヴィヴラートも多く、ポルタメントも時折顔を出す。何より表情が穏やかで品が良い。'60年代に入ってステレオになると、スピード狂ハイフェッツの顔が出てくるが、さすがALPの音は音楽性が高く、米盤とは雲泥の差がある。ハイフェッツとライナーの共演はブラームスとチャイコフスキーの2曲だけである。フリッツ・ライナー( 1888 - 1963)は1922年、渡米してシンシナティ交響楽団音楽監督となり、その後手腕を買われて、ピッツバーグ交響楽団(在任・1938-1948)、メトロポリタン歌劇場(在任・1948-1953)、シカゴ交響楽団(在任・1953-1963)と米国のオケを振ってきたハンガリー生まれの大物指揮者である。手兵シカゴ交響楽団との録音は米RCAに残されており、その多くがモノラル/ステレオ録音である。この1955年録音のブラームスもモノラル発売の3年程あとにステレオが発売された。当時欧州は米国ほどステレオが普及しておらず、モノラルがHis Master's Voice から1956年に初リリース、英RCAからモノラルが発売されたが1970年以前に英/仏ともにステレオは発売されていない。当時の欧州では1955年録音のステレオは受け入れられなかったのではないだろうか?His Master's Voiceのモノラル盤が欧州らしい良い音であり、ステレオが必要とは思わなかったのだろう。オケもヴァイオリンも欧州で録音したのでは?と思えるような良い音である。確かにハイフェッツの表情もSP期の名残を感じさせる後味を持つ。これがステレオとなったら正直演奏スタイルとマッチしない気がする。ALP番号を聴いてそう感じた演奏である。古き良き時代という言葉がぴったりのノスタルジックな演奏!
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