商品コード:1331-041b[VSM] ハンガリーQt./ シューベルト:弦楽四重奏曲15番
商品コード: 1331-041b
商品詳細:これは殆ど知られていないハンガリーQt.のシューベルト:弦楽四重奏15番の3回目録音である。時期の確定は困難で1969年頃と思われる。第2Vnがペーテル・セルヴァンスキー(1935年創設メンバー)→シャンドール・ヴェーグ(1937年・二人目)→アレクサンドル・モシュコフスキー(1940年・3人目)→ミーハイ・クットネル(1959年・4人目)と最もメンバーチェンジの激しかった時期を終え、1959年に第2Vnが固定され、1959年以降は解散する1970年まで11年間の安定期に入ってからの録音である。ハンガリーQt.といえば1953年と1966年の2回のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集という、演奏史に燦然と輝く名演としてこれからも語り継がれる録音を残した。シューベルトに関しては、ハンガリーQt.はベートーヴェン程熱心ではなかったものの、1946年にはシューベルトの15番を録音している。これはベートーヴェンより早い単独録音で、ハンガリーQt.には重要な曲であった。その後初回ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集録音のすぐ後の1954年に2回目となるシューベルトの15番を録音。そして解散が近づく1969年にベートーヴェン同様にステレオでの再録音を望んだのであろう、3回目の録音となった。それだけシューベルトの15番を重要視していたことは明らかである。1960年代にはブラームスの全曲録音を行っており、余力さえあればシューベルトの全曲録音も決して不可能ではなかったのではと今となれば思うのである。これはその3回目録音の15番。演奏は彼等の晩年を象徴する研ぎ澄まされた鋭角に切り込みつつも、尖っていない音色で紡がれた独自に進化を遂げた熱く燃える演奏である。1970年を目前にした時期でここまで1950年代風の熱い演奏ができた団体がどれだけあったのだろう。この晩年録音には誇り高きゾルターン・セーケイの信念が強く残っていて、いかにメンバーが変わろうとも当初の信念は絶対に曲げないという覚悟が窺える演奏である。あのパルナンQt.でさえ1970年代には別モノに変わってしまった現実を思うと、この録音こそ多くの方に聴いてほしい演奏である。
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