商品コード:1331-004[Chant du Monde] S.クヌシェヴィツキー(vc)/ ハチャトゥリアン:Vc協奏曲
商品コード: 1331-004
商品詳細:ハチャトゥリアンは1941年から1963年まで共演したソ連の有名なピアノ三重奏団の各メンバーのために協奏曲3つを作曲している。もっとも有名な作品はダヴィド・オイストラフのためのヴァイオリン協奏曲(1940年)が知られる。他にレフ・オボーリンのためのピアノ協奏曲(1936年)、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキーのためにチェロ協奏曲ホ短調を 1946年に献呈している。チェロ協奏曲は3曲の中で最後に書かれたが、ハチャトゥリアンがグネーシン音楽院でチェロを学んでいたときに最初に書こうと考えていた作品であった。1946年11月、モスクワ音楽院大ホールで初演され、献呈されたスヴャトスラフ・クヌシェヴィツキーが独奏を務めた。指揮はアレクサンドル・ガウクであった。チェロ協奏曲は3つの協奏曲の中で最も知られていない。ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲と難易度が同等であるにも関わらず、他の2曲のようにチェロ奏者の中心的なレパートリーには入っていない。録音も比較的少ない理由はチェロ協奏曲というよりはチェロとの交響曲であると言われているからだろう。このチェロ協奏曲は共産党の伝統的な指針から大きく外れていたため、共産党はそれを理由に(他の理由の中でも)作曲家連合から彼を追放している。曲調は暗く不気味に始まり、明るくなり、弾むようになり、ジプシー風と多岐に変化してゆく。ハチャトゥリアンは、20代前半に数年間チェロを学んでいたので、この楽器とその最適な使い方を熟知していたらしいが、大衆に受け入れられることはなかったという。その理由はハチャトゥリアンがこの協奏曲を数年前の「戦時中の第2交響曲の感情的な不安」を引き継ぐために使用したためだと示唆しているとされている。大衆が戦争をできるだけ早く忘れたいと思っていることへの代弁という事らしい。録音が多くないことも頷ける。第2楽章はがらりと表現力豊かに、落ち着いた雰囲気となるが根底に不吉な気分が停滞している。賑やかさと緊張感に満ちていて、ソロに高難易度のパッセージが多数用意され、全体に高揚してそのエネルギーレベルは終わり近くまで低下し、速いコーダで終わる。近代作品としては良く出来た曲である。この録音は1946年11月の初演と同じメンバーによる演奏で翌1947年に行われた。オリジナル性が高く信頼できる。尚、ハチャトゥリアン自身の提案により、ジャン=ピエール・ランパルが編曲したフルート協奏曲(原曲:ヴァイオリン協奏曲ニ短調)も存在する。フルート協奏曲は1968年に初演された。
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