商品コード:1332-030p[DECCA] J.カッチェン(pf)/ ラフマニノフ:Pf協奏曲2番, バラキレフ:イスラメイ
商品コード: 1332-030p
商品詳細:ラフマニノフの2番に名演は多いが、このダイナミックなオケでまず圧倒される。カッチェンの静かだが情熱的で歌うようなピアノはこの曲の底辺に横たわるそこはかとない哀しみを上手に表していて、音楽性豊かな演奏。しかもSXL2000番台としては、どぎつ過ぎない品の良いハイファイサウンドでトータル的に格調高く、DECCAファンならずとも、十分に魅力を感じる録音。英プレスの場合はOriginal Recording byがオリジナルとなる。圧倒的なステレオ・オーディオファイルLP。カッチェンはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をフィストゥラーリと1951年にモノラル録音しており、これは1958年の2回目録音となる。指揮がショルティと、あまりPf協奏曲を手掛けていない所が気になるが、録音も良く、DECCAらしい完成度の高い仕上がりである。カッチェンもショルティもロシアとは接点が無く、ラフマニノフという作品を一つの普遍的作品としていかに良く仕上げるかという点を目指しているようである。2番はPf協奏曲の中でもロマンチックな名曲であり適度な情感を歌いつつ高度なエンターテイメントとして完璧な演奏といえるだろう。カッチェンはスピード感をもってソロを展開し、まったりした情緒過多となるのを防いでいる。そのようなタイプの演奏は両者の好みではないはずである。従ってラフマニノフらしい叙情性と趣きを求める演奏ではない。ラフマニノフの2番としてはドライといってもおかしくない表現である。早めのテンポ感とスピード感に溢れたラフマニノフでありDECCAのコンセプトがしっかり生きたラフマニノフの2番といえる。正直全体にもう少しロマン的要素があっても良かったとさえ感じる演奏である。このLPは大変売れたようで、毎年のようにプレスされた印象を受けた。従って初出のルーバック・ボーダー・ジャケットが存在するが見ることはほぼない。
カッチェンの在庫一覧へ