商品コード:1334-010[VSM] O.クレンペラー指揮/ バッハ:管弦楽組曲(全4曲)
商品コード: 1334-010
商品詳細:クレンペラー指揮のバッハ:管弦楽組曲の録音が本当にあるのかと思ったが、1960年のブランデンブルク協奏曲同様、本当に録音していた。しかも1969年9月~11月という最晩年の録音で、オケはニュー・フィルハーモニア管の時代である。クレンペラーらしさ満載の大時代的なロマンチシズムの洪水に浸るような演奏である。既にピリオド奏法が始まっている時代にもかかわらずクレンペラーらしいテンポ設定で、この時代ではあり得ない遅いテンポである。ニュー・フィルハーモニアo.はよくここまでの遅い演奏が出来たものだと思う。この録音があまり知られていないのは、全ての点でその常軌を逸した演奏に評論家たちから総攻撃を受けたからではないかと勘ぐってしまう。せっかく録音したのだがら大いに宣伝をすれば良かったはずだが出来なかったのだろう。既に「裸の王様」と化してたクレンペラーに対し意見など言える者は居らず、やりたいようにまかり通ってしまった録音と言える。結果的に我々はこのような超個性的な演奏を聴くことが出来るわけで、全て出来上がったような演奏よりは余程面白い。当のクレンペラーは恐らく大満足であったことだろう。改めて1969年録音を知った上で聴いてみれば、これはこれでバッハを心からオマージュした演奏ではないだろうか?これだけの存在感のある管弦楽組曲は演奏史からみても殆ど類をみない名演と言える。単に録音時期とスタイルが合っていないというだけである。そのようなミスマッチが起こるのはクレンペラー指揮という一言で解決する。知られざる名演としたい。クレンペラーは実は1954年フィルハーモニアo.とモノラル初回録音をしていてこれは2回目の録音であった。初回録音の記憶が飛ぶほど印象が合わない組み合わせだったわけである。
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