商品詳細：17世紀を代表する劇作家ジャン・ラシーヌによる全5幕の古典悲劇。オペラの起源は、伊フィレンツェを中心に17世紀前後に起きた、ギリシャ悲劇の復興運動に辿ると言われているが、これはその原子となった代表的な舞台劇の一つである。作品は登場人物による詩(韻文)の演劇を中心に進行し、まだアリアもレチタティーヴォもなく、音楽作品というよりはあくまで劇作品の域を出ないもの。だが、後のラモーやトラエッタがこの「フェードル」をもとに自作のオペラを書いたように、仏・伊の両方向に対して、以後のオペラ史に影響を与えた点で見逃す事が出来ない作品。殆ど音楽がない状態とはいえ、フランス語の美しい響きと、感情に呼応して付く言葉の抑揚は、まさに歌の誕生を予感させ、オペラの発展は人間にとって必然であったことを思い知らされる。内容も普遍的な題材であり、興味深く受け止めていただける事と思う。(KT)

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