商品コード:1337-062b[CRITĒRE] J.P.ランパル(fl) P.ピエルロ(ob)/ ハイドン:Fl・Ob協奏曲1番, Fl・Ob協奏曲5番
商品コード: 1337-062b
商品詳細:Critèreは1950年代後期に音楽プロデューサーRoland Douatteにより設立されたフランス・マイナーレーベル。1960年頃からレコード発売がスタートしている。どれも拘った高音質録音でモノラルといえどもかなりのHi-Fiサウンドである。プレスは全て仏PHILIPSの工場に(Société Phonographique Philips)に委託製造していた。録音技師の名前は明かされていないが、アンドレ・シャルランクラスの技師が関与したのは間違いがない。プロデュースは殆どRoland Douatte自らが行い、音楽性や音質は高品質に管理されている。その為カタログのタイトルは少ないものの、バロック作品を中心とした独自の企画で他のレーベルにはない優れた内容のLPを世に出していた。これはハイドンの5つある「2つのリラのための協奏曲」Hob.VIIhの全5曲をフルートとオーボエと管弦楽に編曲したもののVol.1である。楽器のリラは中世ヨーロッパで使われた撥弦楽器のみならず似た形状の弓で弾く擦弦楽器で、古代ギリシアの竪琴をルーツとする楽器である。古代ギリシアにおいて朗読会はリラで伴奏された。弦の数は時期によって異なり、4、7、10弦のものが愛好された。指または撥(バチ)で弦をつま弾く奏法である。ハイドンが想定した楽器はリラ・オルガニザータとされている。内部に小さなオルガンがあって、鍵盤を押さえることによって弦の長さを調節するだけではなくオルガンの管に空気が送りこまれる。想像しにくいが、弦楽器の胴体にオルガンが埋め込まれ、上部に付いた小さな鍵盤で発音する仕組みらしい。1786年頃作曲でいずれもナポリ王のために作曲されたものである。ハイドンがロンドンを旅行したときに、これらの曲の演奏にはリラ・オルガニザータの代わりにフルートやオーボエを使用したことが文献から解かっている。その為ハイドンの「2つのリラのための協奏曲」は現在ではFl・Ob協奏曲として演奏されるのが通例になったようである。リラ・オルガニザータの実際の音はサーカスの手回しオルガンの音に近いらしい。LP時代にはフーゴ・ルーフという奏者が箱形の電動小型オルガンの一種で演奏し、1966年頃VOXから発売されたらしい。本物のリラ・オルガニザータを使った録音はLP時代には存在しない。この5曲は全て長調作品で明るく軽快なメロディーを持つ秀作である。フルートやオーボエ演奏ではハイドンの真意は伝わらないが、リラ・オルガニザータでの録音は不可能である為、曲の保存という点では意義のある録音だろう。音質は非常に良い!
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