商品コード:1337-017p[PHILIPS] A.グリュミオー(vn)/ モーツァルト:Vn協奏曲2番K.211, 5番K.219
商品コード: 1337-017p
商品詳細:グリュミオーは2回録音があり、これが初回録音のモーツァルト・ジュビリー3枚のうちの1枚。2回目C.デイヴィスとのHIFIステレオも音質は素晴らしいが、グリュミオーのソロだけ考えると、この初回モノラルが断然優れている。'54年録音としては音質は悪くなく、前に出てくる。Vnの音は当時としてはトップレベルだと思う。ここでのグリュミオーは敢えて大胆な表現はせず、丹念にモーツァルトの心の機微を表現するかのように、無心に歌う。PHILIPSは1956年のモーツァルト生誕200年記念に合わせて数年前から準備をしており、当時モーツァルテウム音楽院の学院長であり、モーツァルトの研究の第一人者でもあったベルンハルト・パウムガルトナー(1887-1971)に監修を依頼。パウムガルトナーは1917-1959年まで学院長を務めた。1956年の発売に合わせて着々と録音を進め、最大規模とクオリティを持つモーツァルト・ジュビリーシリーズを発売した。勿論他社でもモールァルト生誕200年記念企画は行われ、DGG、米COLUMBIA、VEGAなども参加して独自企画を発売したが、質・量共にPHILIPSのモーツァルト・ジュビリーは圧巻であった。これらの全貌は未だ不明であり、モーツァルティアンが生涯をかけてコツコツ集めて、その優越感、満足感に浸れる当時最高ランクのモーツァルトのLPシリーズである。ジャケット下には丸いロゴがあり、すぐに見分けが付くようになっている。Vn協奏曲部門ではグリュミオーが担当し、3枚のLPに6曲を収録した。ジュビリー・シリーズの中でも核心といえる録音である。3/4番がモラルト指揮ウィーンso.、残り4曲(1/2/5/7番)はB.パウムガルトナー指揮ウィーンso.が担当した。監修者自ら指揮を行った4曲の信頼度も、モラルトというモーツァルト振りの指揮者も、そしてオケがウィーン交響楽団ということも全て総合して、この企画が当時PHILIPSが可能だった最高のキャストだったことは間違いない。中でも2/5番の入荷は多くなく、3枚揃えば大きな満足感を得られると信じる。パウムガルトナーはこの企画の成功を評価され、1959年から1971年までザルツブルク音楽祭の総裁を務める。1958年には来日して当時のABC交響楽団(近衛管弦楽団)などを指揮している。モーツァルトのVn協奏曲の原典でもあり、終点といっても差し支えない録音群である。
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