商品コード:1338-045[VSM] G.シフラ(pf)/ チャイコフスキー:Pf協奏曲1番
商品コード: 1338-045
商品詳細:1958年9月のロンドン録音。仏プレスは一回刷りですぐ番号を変更。フィルハーモニアo.も素晴らしいが、本当はパリ音楽院を振って欲しかった。英国のオケだが、それでもヴァンデルノートは持てる個性を出す努力をしているようだ。当然、フィルハーモニアo.はフランスのオケと違って、誰が振ろうが端正な造形は変わらない。それより、シフラが意外にも自由に弾いている。グリーグ/リスト同様、組んだ2人の間に信頼関係がしっかりあるようだ。ジュベール工房のジャケが美しい!ジョルジュ・シフラ(1921-1994)ほど激動の人生を歩んだピアニストもいない。ジプシーの家系に生まれ、5歳のシフラは、サ―カスで観客から旋律をもらって、毎日30分即興演奏をし、出演料をもらった。これが彼が聴衆の前で最初に演奏した経験だったという。第二次大戦では砲弾の爆発によって片耳の聴力を失い捕虜となる。終戦後はバーやナイトクラブで即興演奏をして生活費を稼いだ。ウィーンでタートライ弦楽四重奏団の代役として行ったリサイタルが大成功、無名だったシフラの名は知れた。1956年、パテ社のプロデューサーとともにパリに着いたシフラは、パリではツィピーヌ指揮コロンヌ管弦楽団とリストのピアノ協奏曲第1番を弾き、一夜にしてスターとなった。そこからはパテ社の希望通りの録音を次々とこなし、トップの座を持つピアニストへと上り詰め、レコードの売れ行きは素晴らしく、パテ社は彼にパリ郊外に買った家と車2台を買い与えた。代金は、数ヶ月で返してしまえるほどだったという。リストに代表される超絶技巧曲から小品まで全てをこなせる幅広い技術を身に着けていたシフラは万人を魅了した。チャイコフスキー:Pf協奏曲のような大作もシフラにとってはお手の物だった。サーカスで培ったエンターテイメントは体に沁みついており、メジャー作品にも能力を発揮した。この録音は時期も良く、EMIではベスト・セラーLPとして世界を席巻した録音である。指揮のアンドレ・ヴァンデルノート(1927 - 1991)も売り出したばかりの当時新人指揮者であるが、EMIと契約して続々と録音を進めていた時期である。勢いに乗った2人の音楽家が作る演奏にはパワーと品位が感じられる。録音の多い曲だが、ステレオ・オーディオファイルプレスとして世界的人気は高い。
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