商品コード:1338-042[VSM] W.フルトヴェングラー指揮/ ワーグナー:ワルキューレ(全曲・ドイツ語歌唱)
商品コード: 1338-042
商品詳細:フルトヴェングラーとウィーンフィルは元々は「ニーベルングの指環」を全曲録音する予定だった。しかし途中でフルトヴェングラーが亡くなったことによりこのプロジェクトは中止となった。「ワルキューレ」はその4曲の中で唯一完成した一作であり、フルトヴェングラー最晩年の録音として今日に知られるべき名盤である。有名な「トリスタンとイゾルデ」が1952年に録音され、その2年あとの録音となる。つまり4曲あるうちで最初に録音されたのがこの「ワルキューレ」ということになる。時代も1954年と「トリスタンとイゾルデ」よりも良い音質で録音されている。「トリスタンとイゾルデ」がフィルハーモニアo.の英国録音だったの対し「ワルキューレ」はウィーン録音である。ウィーンpo.とはベートーヴェン交響曲録音でお馴染みであり、全体のクオリティは非常に高い。歌手の歌にも声量と張りがあり、オケにかき消されることはない。フルトヴェングラーが最後に残したスタジオ録音である。フルトヴェングラーのワーグナーはライヴ録音が色々と出ているが、どれも音質の点でストレスなく聴けるライヴ録音は殆どないのが現状ではないだろうか? この録音の4年後にショルティによる「指環」プロジェクトはウィーンでDECCAにより始まる。この2つは全く世代が異なるように感じるが、実は4年しか離れていない事実は意外ではないだろうか? フルトヴェングラーのこの何とも劇的で濃密な空気は経った4年でステレオにとって変わり、クリアーに晴れ渡ってしまうものだろうか? たとえロマン派交響曲等でフルトヴェングラーの演出に違和感を覚えるアンチが居ても驚くにあたらない。新時代で幾らでも別の魅力を放つ演奏は現れた。しかしオペラは別物である。まず歌手のクオリティは完全に時代に対応している。またワーグナーのオペラだからこそ、この大袈裟ともいえる演出がものを言うのである。4年の差は大きいものである。歌手の寿命は変えられない。この録音が「ワルキューレ」の一つの時代であり、この録音の前と後で演奏史を分けても良いくらいである。それだけ唯一無二の「ワルキューレ」となった。
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