商品コード:1338-010[MCA] S.マーロウ(cemb) / バッハ:ゴルトベルク変奏曲B.988
商品コード: 1338-010
商品詳細:初入荷マーロウ女史のソロ、1962年頃の米DECCA録音。当社の過去の在庫でもJ.ベイカーとのFlソナタ、グリーンハウス(vc)とのVcソナタ等バッハ作品はあったがソロは少ない。この曲の録音も知られていない。ランドフスカ亡き後の米国におけるCemb音楽の重鎮。演奏は端正にして自然体、洗練された演奏。バッハ・ファンには思わぬ大発見。モダン楽器ではないようだが使用楽器は記載されていない。英DECCAプレスならまるで欧州で録音されたかのような音質になるから不思議。シルヴィア・マーロウ(1908-1981)はニューヨーク生まれのチェンバロ奏者。殆どが米DECCA。地元の大学でピアノとオルガンを学んだ後、彼女はパリのエコールノルマル音楽院で音楽教育を続け、ナディア・ブーランジェにピアノとオルガン、作曲を学んだ。そこで彼女はワンダ・ランドフスカのチェンバロ演奏に初めて触れ、深い感銘を受けたが、ランドフスカに師事したのは何年も後のことだった。アメリカに戻ったシルヴィア・マーロウは、ラジオ放送のシリーズでバッハの「48」の前奏曲とフーガをピアノで演奏し、ナショナル・ミュージック・アワードを受賞した。彼女は徐々にピアノをやめ、チェンバロに転向した。その後数年間はラジオ放送を専門とし、ルネッサンスやバロックのチェンバロ曲や室内楽作品、ジャズを含む幅広い現代音楽を紹介した。彼女は主にバロック様式の作曲に傾倒していたが、アメリカのポピュラー音楽の大義を大胆に支持した。彼女はローワー・ベイスン・ストリート室内楽協会というポップ・グループのメンバーであり、ナイトクラブでも演奏し、音楽は流動的な芸術であるという信念をこれ見よがしに宣言した。1948年ニューヨークのマネス音楽大学のチェンバロ教授に任命された。彼女の多くの生徒の一人に、よく知られたアメリカのチェンバロ奏者ケネス・クーパーがいる。1955年、彼女は国務省の国際文化交流プログラムのために極東と南東部のコンサートツアーを行った最初のチェンバロ奏者となった。1957年自らチェンバロ音楽協会を設立し、Cembの普及と研究に努めた。シルヴィア・マーロウはワンダ・ランドフスカとともには、アメリカの聴衆にチェンバロを知らしめることに大きく貢献した。20世紀のハープシコードのレパートリーのダイナミックな先駆者でもあり、自ら選んだ自由で現代的な都会の女性でもあった。SP時代から録音があり、LPでも4枚の録音を行ったらしい。レーベルはコロンビア、MGM、ハイドン協会、ウェストミンスター、キャピトル、そして特に米デッカがメインとなった。欧州レーベルに録音がないことがマーロウの知名度に関連している。ここで聴けるバッハ:ゴルトベルク変奏曲はランドフスカのスタイルを更に進化させたもので、装飾音を多用し、華やかでゴージャスな印象がある。マーロウの演奏はアカデミズムとは無縁であり、エンターテイメント寄りのスタイルを持つ。多分に米国の聴き手を意識した展開を最初から続けていたからだろう。明るく軽妙であり、多くのチェンバロで弾かれたゴルトベルク変奏曲の中でも一際楽しめる演奏である。英国盤は英DECCAでプレスされていて音質は抜群に良い。
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