商品コード:1339-063[ERATO] M.J.ピレシュ(pf) / ショパン:前奏曲集
商品コード: 1339-063
商品詳細:'76年という古い録音ではない、しかしピレシュのショパンというのはかなり珍しい。彼女のピアノには動きというものがあり、べったりしたサロン的なピアノではなく、フィールドで常に活動している小動物のような生命感を感じる。ジャケ裏の写真のような美貌は既に失われ彼女も年をとったが、そんな事実すら感傷というよりは紛れもない真理として、このピアノが表しているような気さえする。動的でこじんまりしない希有なプレリュード。新感覚的ショパン!!マリア・ジョアン・ピレシュ(1944-)ポルトガル生まれのピアニスト。ピレシュは当初ドイツ・ミュンヘン音楽アカデミーでローズル・シュミット、ハノーファーでカール・エンゲルの各氏に学ぶ。1970年にブリュッセルで開かれたベートーヴェン生誕200周年記念コンクールで首位となる。この間に、個人的にヴィルヘルム・ケンプの薫陶を受ける。ピレシュは1973年に初来日時、ほんの偶然から一枚のアルバムを録音し、そこから翌年のこの大プロジェクトへと発展。結果的に、それが1974年のモーツァルトのソナタ全集の録音に繋がった。それがピレシュをスターダムへと押し上げる原動力になった。もしかすると、東京での録音が無ければピレシュの今の立ち位置はなかったかもしれない。彼女が少ないキャリアながら人気が出たのは、彼女の独自性と、その時代が求めている新鮮な何かがぴったり合ったからだろう。年々レコードの音質が薄味になり、演奏者達は技巧へと走る中、技巧を感動へと繋げたほんの一握りの演奏家、それがピレシュ。ここに感動がある! 正に日本が育てたピアニストといって過言ではないだろう。ソリストとして欧州や北米、日本、イスラエルに定期的に客演し、名だたる名門オーケストラと共演するまでになったピアニスト。しかし2018年、ブルース・ダフィーのインタビューの中でこう語っている。自身の手が小さいことを告白し、「ショパンは小さな手でも、それほど苦労はありません。音楽として、ショパンはピアノにとてもよく書かれた作品です。つまり彼はピアノという楽器を非常に深く知っていたから、小さな手でも大きな手でも、弾けるようになっています。勿論いくつかの曲は、ポロネーズの一つ二つ、或いは2、3のエチュードとか、わたしにとって少し難しい曲はありますけど、通常はショパンには大きな問題はないです。しかし手が小さく、オーケストラとの共演には制限がありました。」ピレシュのピアノは優雅なだけなく、しっかりと基本を押さえた上質でハイレベルな演奏。日本のみならず海外でも評価は高い。これは1975年のパリでの単独録音。ショパンの録音は多くない。現在はブラジルのバイーア州サルヴァドールに在住。
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