商品コード:1341-038[DECCA] K.ミュンヒンガー指揮/ ヴァッセナール(伝ペルゴレージ):6つのコンチェルト・アルモニコ~4曲
商品コード: 1341-038
商品詳細:ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内o.の十八番である珍しいバロック作品。おそらく、よほどの名指揮者か高音質盤でない限りなかなか注目が集まらない曲種であろう。当録音はたとえSXLでなくとも内容的には素晴らしい。室内オケは太陽をキラキラと反射する静かな湖水のごとく透明で、純粋。極めて優れた高音質バロック作品!ED1初出のSXL 6102は希少である。ペルゴレージのようなバロック作品には1945年自身が創設したシュトゥットガルト室内管弦楽団とぴったり息が合う。DECCAらしい切れが良く、リズミカルなオケが快い。SXLシリーズのバロック系作品の中では出色の出来だろう。ミュンヒンガー特有の堅苦しさはここではまったく気にならない。実際の作曲家だったヴァッセナール伯ことウニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール(1692-1766)は、オランダ・デルデン生まれの貴族でアマチュア作曲家だった。1725年~1740年の間に「コンチェルト・アルモニコ」を作曲するが、貴族であった為か自らの名を冠して出版することを望まなかった。或いは、自らの作曲能力を疑っていたという説もある。結局、作品としては1740年にイタリア人ヴァイオリニストのリッチョッティによって出版され、当初は彼が作曲者とされた。その後、19世紀にポーランドの作曲家レッセルによって、ペルゴレージ作曲であるとされた。理由としてはヴェネツィア楽派の三楽章構成ではなく、ローマ楽派の四楽章構成であり、同時代の作曲家ロカテッリなどとの対比になるというもの。しかしながら1979年にヴァッセナールが生まれたトヴィッケル城から自筆譜が発見。その後、1980年にオランダの音楽学者アルバート・ダニングが自筆譜を発見し、ロカテッリ研究の第一人者である音楽学者アルベルト・デュニングの調査により「コンチェルト・アルモニコ」が間違いなくファン・ヴァッセナールの作品であると認定された。「コンチェルト・アルモニコ」はヴァイオリン4部、ヴィオラ、チェロ、通奏低音による全6曲からなる協奏曲集である。ミュンヒンガーは1951年に第4番ヘ短調をモノラル録音しており、当時から注目していたことは明らか。バロック研究家でもあったミュンヒンガーは曲の良さを買って録音したと思われるが、この録音がされた1963年頃はペルゴレージ作が通例であったのでジャケット表記はペルゴレージとなっている。作品は6曲とも独奏者を置かずアンサンブルとしての協奏を行うタイプで、緩・急・緩・急の4楽章形式で書かれている。弦楽と通奏低音のみのシンプルな編成でイタリア風の美しい旋律に溢れながらも、楽章間で劇的な転調を見せるなど刺激的な側面もありとても充実した曲集。演奏もたいへん力強く聴き応えあり、ヴァッセナールの巧みな筆致がじっくりと堪能できる演奏である。当時6曲は1枚のLPに収まらず、5/6番の2曲はSXL 6104(+ランパルのFl協奏曲1/2番)に入る。ミュンヒンガーはバロック作品の隠れた名曲を探し出すのが特技のようである。
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