商品コード:1341-006[DECCA] J.クリップス指揮/ モーツァルト:レクイエム
商品コード: 1341-006
商品詳細:1950年6月にウィーンムジークフェラインザールにて行われたLPでの最初期録音である。オケはウィーン宮廷音楽隊( The Vienna Hofmusikkapelle)を使い、ソプラノとアルト歌手には、ウィーン少年合唱団から2人のボーイ・ソプラノが選ばれてソプラノ役とアルト役で参加した。通常は少年の名前は明かされないがこの録音では本名が記載されている。ウィーン宮廷音楽隊はウィーン宮廷合唱団として1498年創設のウィーン宮廷礼拝堂(Hofmusikkapelle Wien)専属の楽団である。今でも存続し、ウィーン宮廷オーケストラと呼ばれる。ウィーン宮廷音楽隊の実態はpo.のメンバーをベースにした楽団であるらしい。ウィーン少年合唱団もウィーン宮廷礼拝堂付き合唱団として1498年に創設された団体で、演奏する際にはウィーン宮廷音楽隊とセットになることが殆どである(演奏旅行は除く)。この録音は恐らくLPで最初に録音された「レクイエム」であり、ソプラノとアルト歌手にボーイ・ソプラノを起用した最初の録音である。中世で教会音楽には女性歌手が参加できない古い慣習があり、18世紀の教会で行われていた「女性の演奏を禁止する」という不文律が守られた、慣習に則った演奏である。しかもオケはウィーン宮廷音楽隊であり、専属合唱団であるウィーン少年合唱団が演奏することから最もオーセンティックな「レクイエム」と言われてきた。勿論合唱団の中にも一切女性は存在せず、完全な意味での古い教会規約のオリジナルを貫いた演奏となっている。今もっても名演中の名演であり続けている。そうそう誰もがウィーン宮廷音楽隊を振ることが出来ない為、ある意味で権威ある録音である。この録音のCDにおける詳細を見ると、オケはウィーンpo.と表記していることも多く、実態はやはりウィーンpo.とほぼ同じと考えるのが妥当と言える。クリップスの録音のあと、続々と大物指揮者たちが録音を世に出したが、勿論ウィーン宮廷音楽隊やウィーン少年合唱団を使うことは無く、大人の合唱団、女性歌手を起用した録音で、クリップスのスタイル追従する録音はなかなか出なかった。1970年代に入り古楽ブームの中アーノンクールらが同様の録音を世に出したが、それらが古楽器演奏が主体であり、男性のみの合唱はメインではなく、クリップスのような伝統的な演奏ではない。従って、クリップスの「レクイエム」は今もってオーセンティックな名演の地位を保ったままであり、今後も変わることはないだろう。ボーイ・ソプラノで歌われるソロは宗教性の観点から特別な音楽体験である。どのような名歌手でさえ、これを凌駕することの出来ない領域となっている。
クリップスの在庫一覧へ