商品コード:1342-035[VSM] S.フランソワ(pf) / ドビュッシー:Pf曲集
商品コード: 1342-035
商品詳細:フランソワ最後の録音。この4枚入り箱物で全て。残りの録音日程も1970年10月23日と決まっていたが、その前日に亡くなった為に全集は中断。主要曲は網羅し、全曲の8割ほどが入る。音質も、彼のナイーヴなPfの粒立ちや独特の倦怠感までもがはっきりと聴き取れる優秀な録音。一度聴いたら、その個性ゆえ好き嫌いがはっきり分かれてしまうピアニスト。ニヒリズムを音で表現した都会の男だ。オリジナルの入荷が年々減少する世界的な人気盤。1970年10月22日それまでフランソワとしてはまずまずの日程で順調に進んでいたこのドビュッシー・ソロ・ピアノ作品全集を残り1日待てず心臓発作のため急死した。フランソワは、酒を愛した人であった。またタバコはさらに好きで健康を害していても愛する「クラヴァン」というタバコを嗜み続けた。不摂生がたたっての死であったことは誰の目にも明らかであった。一説には、サンソン・フランソワ自身は、作品の楽譜はあってもどう弾くのかは自分自身であって、作曲家を代弁しようと言う気持ちはさらさらなく、例えば、どういうP(ピアノ)F(フォルテ)があろうが、記号がどうあろうが、その通りに弾くことよりも、楽譜を基にして、好き勝手に自分の思う通りに弾くと言う、実に気分屋的、フランス的な即興性溢れるピアニストであった。彼のドビュッシーは古典的な奏法でありながら決して古さを感じさせないみずみずしさと妖艶さが漂っている。健康的であるはずの曲から19世紀末のパリの空気、一種のデカダンスの雰囲気も漂ってくるのである。これからドビュッシーの音楽を聴こうと思う方にはお勧めできない。彼の演奏には決して褒められたものではない彼の生き様が練り込まれている。常識人の生活態度ではなかった。それが音楽を通して伝染するはずである。逆にその反モラル的な人生からしか描けない音楽がある。コルトーもM.ロンもこういうドビュッシーは教えていないはず。フランソワだけに見えたドビュッシーの世界がLP4枚に収められている。真似をしようとしても不可能な世界!
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