商品コード:1343-053[HMV] V.d.ロス・アンヘレス(s)/ ショーソン:愛と海の詩, カントルーブ編:オーヴェルニュの歌~9曲
商品コード: 1343-053
商品詳細:英国EMI系の'70年代プレスは、なかなか市場に出てこないのが現実だ。これは1969年のフランス録音、英オリジナル。ここでは、カントルーブ編曲のトラッド「オーヴェルニュの歌」と、ショーソンの「愛と海の詩」。B面オーヴェルニュの歌は曲名こそ有名であるが、全9曲通しで聴ける録音が意外と少ない。言語もオーヴェルニュ地域の言葉をそのまま使い、幻想的で夢の中にいるような美しい曲。A面ショーソンも魅力的な曲で、しばし別世界への旅のような、心癒される一枚。「オーヴェルニュの歌」のマリー=ジョゼフ・カントルーブ=ド・マラレ(通常カントルーブと省略される)は「オーヴェルニュの歌」の作曲者ではなく、編曲者。フランス、オーヴェルニュ地方に伝承された民謡を、カントルーブが収集、編曲(オーケストレーション)した全5巻27曲の歌曲集が「オーヴェルニュの歌」である。ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスのEMI録音では全曲は収録されておらず、このLPではB面に7曲(計9曲)を収録。その後1974年に追加で15曲が録音され、合計で27曲中の24曲が収録されている(ASD 3134)。このLPでは7曲(計9曲)のみだが主要曲は入っている。オーヴェルニュ地方は、フランス中部の火山性の中央高地でミネラルウォーターのメーカーである「ヴォルヴィック」で知られるヴォルヴィック村がある場所である。言語もパリで使われるフランス語ではなく、オーヴェルニュ方言のオック語で歌われる民謡である。録音自体が少ないので貴重なLPといえる。理由はその不思議な発音の言語の為だろう。LP1枚のためにこの特殊な言語を学ぶ歌手は多くない。オーヴェルニュの歌は歌手を選ぶかもしれない。ロス・アンヘレスの声がこの曲の気分に不思議とマッチしている。キリ・テ・カナワとフレデリカ・ヴォン・スターデがCD期に録音しているが、これとは比較にならないだろう。ロス・アンヘレスは民謡が原曲であることを強く意識した歌であり、コンサート歌曲とは異なる素朴なユーモアで原曲に迫っている。より本物らしさを感じる。この1枚が揃えば完璧だろう。A面のショーソン「愛と海の詩」は大規模な管弦楽伴奏による歌曲である。ピアノ伴奏版もあるらしい。歌詞は詩人モーリス・ブショールの同名の詩集『愛と海の詩』から採られている。独唱はメゾ・ソプラノ、ソプラノ、バリトンなどによって歌われる。歌詞は男性が主人公となっているが、女声で歌われることのほうが一般的である。構成は第1曲「水の花」と第3曲「愛の死」が短い管弦楽のみの第2曲「間奏曲」によって繋がれている。音楽的には「愛」、「海」、「別れ」、「追憶」、「死」といった概念がそれぞれ特徴ある示導動機として描き分けられ、このうち「愛」を表すものが全体を貫いて流れている。
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