商品コード:1344-008[ERATO] W.ゲネンヴァイン指揮/ バッハ:マルコ受難曲
商品コード: 1344-008
商品詳細:これが世界初録音となったバッハのマルコ伝による受難曲(バッハ:マルコ受難曲B.247)の録音である。指揮はELECTROLAに「ヨハネ受難曲」を録音したヴォルフガング・ゲネンヴァイン(1933 - 2015)とプフォルツハイム室内o.とシュトットガルト南ドイツ・マドリガル合唱団。ゲネンヴァインはシュヴェービッシュ・ハルに生まれ、ハイデルベルク大学とテュービンゲン大学で音楽とドイツ語学を学んだ。1959年にシュトットガルト南ドイツ・マドリガル合唱団の指揮者となった。1969年から1973年までケルン・バッハ協会の合唱団を指揮した。1968年にシュトゥットガルト国立音楽大学の合唱指揮の教授に任命され、1973年にレクトール(会長)に選出され、1982年まで務めた。また、2004年までルートヴィヒスブルク城祝祭音楽祭の指揮も務めた。ゲネンヴァインはEMIのために、マタイ受難曲を含むバッハの宗教曲の多く、ハイドンのオラトリオ、モーツァルトのレクイエムを録音した。受難曲は新約聖書のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書に基づくイエス・キリストの受難を描いた音楽作品をいう。バッハはこの4つの受難曲全てを作曲している。但しマタイ受難曲、ヨハネ受難曲の2つが特に知られる。マルコ受難曲に関してはマタイ/ヨハネ受難曲の2年後の1731年頃の作とされるがレチタティーヴォの部分が消失しているらしい。1731年3月にライプツィヒにて初演され、1744年の聖週間に再演された受難曲だが、現在では歌詞しか残されていない。その歌詞の構造の研究により、カンタータBWV 198から5曲(第1/3/5/8/10曲)、カンタータBWV54より1曲(冒頭のアリア)がそれぞれ転用されたとされ、さらに他の楽曲もほぼ全て他のバッハの楽曲からの転用だったと考えられている。完全な楽譜がない為、現在「マルコ受難曲」を演奏する際には、それぞれの演奏者の考えや作品に関するヴィジョンが反映された復元版となっている。このゲネンヴァインの初録音も「ゲネンヴァインによる復元版」というのが正しい見方になる。このような経緯から「マルコ受難曲」はマタイ/ヨハネ受難曲からみて一段下の作品と取られているのが現状である。だがらこそ1965年まで誰も録音しなかったのである。現在でも録音は多くないがLP1枚で収まる点で聴きやすい。また「ルカ受難曲」BWV246( Anh. 2.30)は完全なバッハ作ではなく1932年にカール・オルフが編曲しながら戦禍に失われた版をオルフの原稿を基にチェコの作曲家イラーセクが復元したものなのである。そのような経緯で偽作扱いとなっている。その為「マルコ受難曲」より更に敬遠される曲である。マルコ、ルカの2つの受難曲は学術的にマタイ/ヨハネ受難曲に対し低い価値しかないとされている。しかし当「マルコ受難曲」は聴いてみれば明らかにバッハの作品であり、3つ目の真作として聴いてみる価値のある作品に違いない。「ルカ受難曲」とは全く次元が異なる「受難曲」と言える。
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