商品コード:1345-050[DECCA] J.ブランカール(pf)/N.アンリオ・シュヴァイツァー(pf)/ ラヴェル:左手のためのPf協奏曲, Pf協奏曲
商品コード: 1345-050
商品詳細:このLPの最大の聴きものはB面に入るPf協奏曲 ト長調を弾くフランス人女性ピアニストであるニコール・アンリオ=シュヴァイツァー(Nicole Henriot-Schweitzer)である。ジャケットにはニコール・アンリオ(Nicole Henriot)としか表記されていないが、それは結婚前の旧姓と思われる。ニコール・アンリオ=シュヴァイツァー(1925 - 2001)はフランス出身の女性ピアノ奏者。父はエミール・アンリオ、母はフランソワーズ・リシェ。指揮者のシャルル・ミュンシュは叔父にあたるようである。6才でマ・メール・ロワのセカンド・ピアノを弾いてラヴェルと連弾したという神童だった。パリ音楽院でマルグリット・ロンにピアノを学び、 1938年、13歳でピアノで一等賞を得て卒業した。1939年にリュクサンブールのガブリエル・フォーレ国際コンクールでジョルジュ・ファラゴとジネット・ドワイアンに次ぐ第3位を獲得し、本格的な演奏活動は第二次世界大戦後まで持ち越されることとなった。戦時中はレジスタンス活動に協力していた。1948年にシャルル・ミュンシュの指揮するニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団の演奏会でアメリカ・デビューを飾り、以後ミュンシュのお気に入りのピアニストとしてしばしば共演するようになった。1967年に同じシャルル・ミュンシュがパリ管弦楽団を結成すると、彼女は同楽団のソリストとなった。ミュンシュがパリ管の箱物に出演している(1968年ラヴェル:Pf協奏曲)。1958年にアルベルト・シュヴァイツァーの甥であるジャン=ジャック・シュヴァイツァー(1920 - 1993)と結婚しシュバイツァー姓となる。翌年、彼女はジャン=フィリップ・シュバイツァーという息子を出産した。1970年からリエージュ音楽院、次いでブリュッセル音楽院のピアノ教授となり、1975年と1976年にはパロマ・オシェア・サンタンデール国際ピアノコンクールの審査員を務めた。2001年ルーヴシエンヌで亡くなり、シャルル・ミュンシュと同じ墓に眠った。録音こそ少ないがティッサン・ヴァランタン(1902 - 1987)と共通するフォーレのスペシャリストであったフランスの大物である。親戚ということもありシャルル・ミュンシュと普通に共演出来た唯一のピアニストであった。これはシュヴァイツァーの最初のPf協奏曲 ト長調である。名演とされるフランソワの演奏とは全く異なるラヴェル直伝の演奏で第2楽章のソロでは素晴らしくロマンチックでよく歌うソロを奏する。マルグリット・ロンのSP録音にも迫る美学が結集された演奏である。LPで聴ける最高ランクの演奏とみて間違いない。左手のためのPf協奏曲はジャクリーヌ・ブランカール(1909-1994)が担当する。ブランカールも優れた女性ピアニストであるがこのLPの主役は完全にシュヴァイツァーである。ブランカールは1953年にPf協奏曲 ト長調を録音して2曲入りのラヴェル:Pf協奏曲集をLXT 2816で発売した。その時点でシュヴァイツァーの録音は抹消され、再販さえ出なかった。シュヴァイツァーはC.ミュンシュとPf協奏曲 ト長調を1958年ボストンso.と1968年パリo.と再録音しており、ラヴェル:Pf協奏のスペシャリストとして知る人ぞ知るピアニストである。
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