商品コード:1350-003[DECCA] A.フェルバー(pf) / メンデルスゾーン:無言歌集(6曲), シューマン:子供の情景(全13曲)
商品コード: 1350-003
商品詳細:1950年代、仏デュクレテにドビュッシー全集や、ベートーヴェンの変奏曲等を残したアルベルト・フェルバー。1940年代には盛んに英国の指揮者やオケと共演。この1951年発売のLPが彼の最初の録音らしい。この後デュクレテに移ったと思われる。気品溢れるデリケートなタッチはデュクレテと変わらない。意外なほどテンポを変えず、しかも深い感銘を残す。アルベルト・フェルバー(1911- 1987)はピアノ好きの方ならご存じだろう。スイス・ルツェルン生まれ。ルツェルンはドイツ語圏なのでアルベール・フェルベールではなく本来はアルベルト・フェルバーとなるが、フランスに居た間はDucretet Thomsonで活躍したので、当然アルベール・フェルベールと名乗っていたと思われる。彼は1960年代の英国に移住し、SAGAなどの英国レーベルに録音を行っており、当然アルーベルツ・フェーバーになったはずである。移住の度に呼び方が変わる欧米は厄介である。アルベルト・フェルバー、アルベール・フェルベール、アルーベルツ・フェーバー、どれもその時々で正しいが、統一が重要なので当社では出生国の呼び方であるアルベルト・フェルバーで統一する。フェルバーはスイスでK.ライマーに学び、ザールでヴァルター・ギーゼキングに師事した。フランスではマルグリット・ロンの薫陶を受けた。セルゲイ・ラフマニノフのスイス滞在時に、ラフマニノフから助言をもらっている。1939年にはロンドンに渡り、ジェームズ・チンのピアノ学校で助手をしながら演奏活動を行うようになった。映画音楽方面でも仕事をし、アルバート・バル=スミス監督の"The Hangman Waits"や"Death in the Hand"等では音楽を担当し、ブライアン・デズモンド・ハースト監督の"The Mark of Cain"ではピアニスト役として出演した。1940年代には盛んに英国の指揮者やオケと共演。SP録音もある。LPでは1951年頃英DECCAの10"(LM 4544・シューマン:子供の情景Op.15/メンデルスゾーン:無言歌(6曲))に初めての録音を行った(当LP)。その後Ducretet Thomsonに移籍し、ドビュッシー全集等の録音を残す。1957年頃までDucretet Thomsonに録音があった。1959年頃英SAGAに移籍。今となってはどれもお宝級のLPとなっている。Ducretet Thomsonではドビュッシーのピアノ主要曲を担当した。1953-1957年と思われる。これまで聴いたどのドビュッシーより力の抜けた自然体であるとともに明瞭である。それでいてピアノの音には程よい倍音があり、一音で聴く人を魅了する力も持ったピアニスト。雰囲気で聴かせるタイプではなく、強烈なアタック音を使い、ダイナミックで生命感溢れるスーパーピアニズムの持ち主。これは唯一のDECCA録音でデビュー録音である。デビュー録音がロマン派作品というのは意外だが、フェルバーの美学と説得力を持つ卓越した演奏は深い感銘を与えてくれるだろう。
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