商品コード:1351-042[RCA] S.リヒテル(pf) / リヒテル・カーネギーホール・リサイタル
商品コード: 1351-042
商品詳細:米国では、リヒテルが渡米以前から旧ソ連に凄いピアニストが居る、という噂が流れていた。1950年に初めて東欧で公演も行うようになり、一部の録音や評価は西側諸国でも認識されていた。しかし、冷戦で対立していた西側諸国への演奏旅行はなかなか当局から許可が下りなかった。当局は西側への旅行を認めた場合に彼が亡命することを警戒していた。その為、西側諸国ではその評判が伝わるのみで実像を知ることができず、「幻のピアニスト」とも称されるようになった。ソ連の演奏家としては最も早い時期から国際的に活躍していた一人であるギレリスが、演奏後に最大の賛辞を贈ろうとしたユージン・オーマンディを「リヒテルを聴くまで待ってください」と制したことも、この幻のピアニストへの期待をかき立てた。1958年第1回チャイコフスキー国際コンクールが開催され、この大会を制した米国人ピアニスト、ヴァン・クライバーンが滞在中に聴いたリヒテルの演奏について「生涯で聴いた中でもっともパワフルな演奏であった」と帰国後に語ったことで、このピアニストの評判はさらに高まることとなった。ついに1960年10月から12月にかけてはアメリカ各地でコンサートを行い、センセーショナルな成功を収めた。このアメリカ・ツアーでは多くの録音がRCAに録音され、米国楽壇は大いに盛り合った。これはその初年度のアメリカ・ツアーの中で録音された1枚である。殆どをRCAが独占的に録音した。これは同年12月にニューヨークとニューアークで行われた2つの異なる演奏会をカップリングしたLPである。リヒテルも本気モードで望んでいて、ただならぬ気配が漂う録音である。束の間の幻影~5曲と「シンデレラ」からの3つの小品~ガヴォット はアンコールで演奏された曲である。カーネギー・ホール・リサイタルでは他にもハイドン、ショパン、協奏曲他様々な曲が録音され、数枚のLPに分かれてリリースされた。1960年10月~12月の全録音を網羅したCD13枚セットが近年発売された。カーネギー・ホールでの連続ソロ・リサイタルは10月19日から30日にかけて5回行われたらしい。米COLUMBIAも一部を録音したようで、それらはLP9枚分の音源があるらしい。RCAは、ツアー終盤にニューヨークとニューアークで行われた3回の追加公演をステレオでライヴ収録し、これらをLPで発売した中の1枚が当盤である。僅かな咳払いが聞こえライブであるとわかる。音質は非常にクリア! リヒテルが米国で活動できた期間は1960年10月~12月の僅か3か月だったにも関わらず録音した曲数は膨大となっている。常識外れの強行軍だったが、それをこなしたリヒテルはもはや超人といってよいレベル!
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