商品コード:1351-008[HM] P.ヘレヴェッヘ/ バッハ:マタイ受難曲B.244(全曲)
商品コード: 1351-008
商品詳細:1984年の通常ステレオ録音。CD期になってからの発売である。通例として1980年代のバッハ宗教曲録音は初期盤ファンから注目されることはあまりない。しかしヘレヴェッヘは特別である。1950年代録音に親しみを感じる方でも ヘレヴェッヘの斬新な演奏には一目置くことになる。この'80年代に入ってからのヘレヴェッヘに人気がある理由、それは過去の呪縛から解放されたこの新鮮な響きに他ならない。特に器楽部でその特徴が顕著に見られ、古楽ムーブメントの延長と言うよりは「進化」と言った方が正しいと思う。古楽器スタイルでさえ逃れられなかった呪縛から脱却し、トータルで新しい何かの誕生を感じさせるマタイだ。初期盤ファンにも充分受け入れられる内容も持っている。初めての古楽器奏法の録音で注目を集めたアーノンクールの録音でさえ、ヘレヴェッヘの前では古めかしく感じてしまう。フィリッペ・ヘレヴェッヘ(1947-)はベルギー・ヘント出身の指揮者。ドイツ音楽の専門家として知られており、中でもバッハから新ウィーン楽派までを得意としている。今日では主要なバッハ研究家によって、正統的な歴史考証を踏まえたピリオド奏法によるバッハ演奏の開拓者の一人と認められており、また60余りの録音数から「ハルモニア・ムンディ・フランス」レーベルの顔の一人と見なされている。少年時代をイエズス会の少年聖歌隊員として過ごす。実家が医者であった為、精神科医を目指してゲント大学の医学部で心理学を専攻するが、そのかたわらでヘント音楽院でピアノのほかに初期鍵盤楽器(オルガンおよびチェンバロ)を学ぶ。1970年代に職業音楽家として指揮活動に入り、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントを創設するとともに医学を断念する。1977年にパリでもう一つの古楽アンサンブルであるシャペル・ロワイヤル(英語版)を設立し、フランス黄金時代の音楽を上演するようになる。これ以降はいくつかの演奏団体を股にかけて、ルネサンス音楽から現代音楽に至るまでを、的確な解釈で演奏することを試みるようになる。こうしてルネサンス音楽を専門とするヨーロッパ声楽アンサンブル、ロマン派音楽を専門とする古楽器オーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団、主に20世紀音楽に特化したアンサンブル・ミュジック・オブリークを主宰するに至った。古楽器演奏家の中でも、これだけの数の演奏団体の統率者となっている人物は稀である。合唱は人数を絞った編成で、 コーラス1は、ソプラノとテノール、バスが各5名、アルトは4名の計19名。コーラス2は、ソプラノが7名、テノール5名、アルトが4名、バスは6名で計22名。オーケストラ1はヴァイオリン:7名、ヴィオラ:2、チェロ:2名、ガンバ:1、コントラバス:1、フラウトトラヴェルソ(横笛):2名、オーボエ:2、バッソン:1、オルガン1。 オーケストラ2もほぼ同数でガンバが無しで、フリュート・ア・ベック (縦笛?)1名が加わる。古楽アクセントは抑えが効いて品がよく美しい。全体に精緻であり、適度な残響によりオケと合唱の素晴らしい融合、一体感が崇高な雰囲気を漂わせている。エヴァンゲリスト(福音史家)はハワード・クルーク(t)が務め、カウンターテノールのルネ・ヤーコプスは特徴のある歌声で証人役を演じる。モダン、ピリオド関係なしにレベルの高い演奏!
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