商品コード:1352-049[MERCURY] J.シュタルケル(vc) G.シェベーク(pf) / ブラームス:Vcソナタ1番, 2番
商品コード: 1352-049
商品詳細:米MERCURY録音の仏発売分。おそらく派手さにおいては、米プレスに譲るとしても、音楽性の高さではこちらが圧倒的に上。仏プレスは単に音の角を取り丸くしたわけではない。スリリングな音のエッジはきちんと残し、そこにフランスというフィルターを通してある。米SR盤は一聴、驚きを感じるが、それでは音楽に入っていけない。これを聴いていただければ解かる。シュタルケルのブラームスを最も感じることが出来るプレスと信じる!フランスではステレオのみの発売と思われる。1959年二人はERATOにモノラル旧録音を残していて、それとの混同を避けるためと思われる。これは1964年ロンドンでの録音で編集/カッティングは米国のマンハッタンにあるMERCURY専用スタジオのFine Recording Studioで行われれいる。MERCURYはLiving Presence STEREO 35 MM録音方式で高音質レーベルとして一世を風靡したが、1960年代初めのころより、膨大なコストがかかる映画用35mmフィルムによる録音を続けたお蔭で経営状況が悪化していった。通常の音楽用テープは幅6mmに対し映画用35mmフィルムはその5倍以上の幅があり、映像を記録できる容量を持つ。それを音声だけに使うわけであるから、オーバークオリティなのであるが、その効果は凄まじく、結局、欧州のレーベルは使うことがなかった。映画産業が発達した米国だからできた芸当である。しかも当初米国のミネアポリスで録音していたうちはそう経費は掛からなかったが、ロンドンでの録音が多くなり、録音経費は当初の何倍にも膨れ上がっていった。結局1961年にフィリップス・レコードに買収されてしまうが、レーベルの売りとなっている35mmフィルム録音をやめることも出来ず、まずはコストのかかる管弦楽曲から室内楽へのシフトが始まったのがこの時期である。そこでシュタルケルの出番となる。1963年にバッハの無伴奏チェロ組曲スタート、翌1964年に二人にとって2回目となるブラームスのソナタが録音される。しかしこの方式も親会社PHILIPSからの圧力で1965年には終了してしまう。この録音はその35mmフィルムの最終期の録音の一つ。米国ジャケットにもその表示はないが、そう信じられる程の高音質録音。この録音が果たして35mmフィルム録音であったかは不明だがリヴィング・プレゼンス・シリーズの一つである。MERCURYがシュタルケルに命運を託して行った録音であることは疑いのない真実だろう。自然体でスムース、力みの抜けた枯れた味わいが見事なブラームス!
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