商品コード:1352-006[DGG] M.アース(pf)/ シューマン:Pf協奏曲
商品コード: 1352-006
商品詳細:1951年ベルリンという非常に古いモノラル録音。当初16 007 LPという10"で発売され、1957年頃17 142 LPEと番号が変わる。どちらも10"であり12"はクラブ盤のみの発売である。ヨッフムの指揮も素晴らしく、協奏曲では力のやや弱いアースもここでは大胆に自己を開放しているかのよう。ニュアンス豊かな、優しい協奏曲になっている。曲の良さを再認識させてくれる事だろう。それ程に彼女のピアノは自由に宙を泳ぎ、シューマンの悲愴感をあまり意識しない、美しい音楽に仕上がっている。こういったデリケートな音楽こそ初期盤盤で聴くことが重要!モニク・アース( 1909 - 1987)は生粋のパリジェンヌで、夫はルーマニア出身の作曲家、マルセル・ミハロヴィチ。パリ音楽院でジョゼフ・モルパンとラザール・レヴィに師事し、1927年に首席となる。ルドルフ・ゼルキンやロベール・カサドシュの下でも研鑽を積んだ。彼女は、やはりフランス物を得手としていた。アースと同世代のピアニスト達に共通するロマンチシズムより、彼女はできるだけ正確さや明晰さというものにこだわっていたようだが、もちろん、古いピアニストに共通する音色の温かみは併せ持っており、その両方がブレンドされて、フランス音楽の演奏史に名を残す一人である。フランス作品をドイツ語圏に知らしめた先駆者的ピアニストであるが、1951年にヨッフムとシューマンのPf協奏曲を録音していた。非常に古い録音だが音質は大変良く、クリアーで透明度の高い明晰な演奏。ドイツ作品ではあるが、ドイツ人ピアニストとは異なるアプローチでシューマンを捉える。そこがアースの魅力。アースがその後パリ音楽院で教えたのは1967~1970年の3年間のみ。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院のマスタークラスを受け持った程度で、演奏活動優先だったようだ。パリ音楽院の教授職にふさわしい技量の持ち主ながら、さほどパリ音楽院の教授にこだわりはなかったようである。フランス人としてDGGという異なる文化圏のレーベルに録音したことがアースのその後の人生に影響を及ぼした可能性は否定できない。何より当時のDGGで圧倒的な技量を持つピアニストであったことは確かである。シューマン:Pf協奏曲は最初期から多くの録音が出されたが、フレンチ・ピアニズムで弾かれた演奏は当時のドイツ人に感銘をもたらしたことは間違いないだろう。
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