商品コード:1354-045[HM] J.コッホ(バリトン) U.コッホ(va) R.J.ブール(vc) / ハイドン:バリトン・トリオ集
商品コード: 1354-045
商品詳細:バリトン・トリオはハイドンしか作曲しなかった分野といえる。弦楽器の一つであるバリトンはヴィオラ・ダ・ガンバと似た擦弦楽器であり、ネックにフレットを備え、6本ないし7本のガット弦が張られるが、さらに9本から24本の金属の共鳴弦(主に12本)を持つ。共鳴弦はガット弦の振動に共鳴して鳴り、さらに左手の親指で弾いて演奏される。オーストリア、南ドイツ、東欧の一部で18世紀末まで用いられたが、演奏するのが非常に難しく、また調律も難しい為に廃れ、今日では演奏される機会は稀である。ハイドンが、彼のパトロンであり、この楽器を嗜んだエステルハージ侯爵の為に書いた175曲がとりわけ知られる。ハイドンが作曲した175曲の内126曲は、ヴィオラ、チェロ、バリトンの三重奏である。これらの曲は1766年から1775年にわたって書かれた。 エステルハージ侯が愛用していたバリトンは、バスのヴィオラ・ダ・ガンバのように調律されていたらしい。クラシック音楽界での古楽の復興運動によりバリトンは復元・演奏されるようになった。しかしヴィオラ・ダ・ガンバで代用されることが大半である。楽器自体が希少な上に演奏には特別な技術が必要となる。ヨハネス・コッホ (1910 - 1973) は、ドイツの古典的なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者であり、ハンブルク音楽大学および劇場の教授であった。彼はエヴァ=ジュリアン・ガーシュタインと結婚していた。レオンハルトと録音したバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集が有名だが、古楽奏者であり古楽器収蔵家でもあるヨハネス・コッホ はこの録音に際して、本物のバリトンを演奏してるようである。ヴィオラ・ダ・ガンバと似たような音だが、より渋い音色かもしれない。ハイドンのバリトン・トリオはバリトン、ヴァイオリン、チェロ(及び通奏低音)の編成の弦楽3重奏である。ピアノが入らないのが特徴で、ピアノ・トリオとは全く異なる曲種である。126曲から選曲した4曲だが、この4曲でハイドンにしかないバリトン・トリオの正体は十分に理解できる。まず演奏出来るという事実だけで大変なことなのである。ヨハネス・コッホの努力が報われる結果であるはずである。
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