商品コード:1354-032[SUPRAPHON] M.サードロ(vc) / コダーイ:Vcソナタ, 無伴奏Vcソナタ
商品コード: 1354-032
商品詳細:サードロの古いモノラル録音。コダーイはチェロのための作品を3曲作っており、有名な無伴奏がOp.8、ピアノ伴奏付がOp.4、VnとのデュオがOp.7である。当盤はそのうちOp.4とOp.8の2曲を収録。特に無伴奏Op.8は片面全部+片面1/3を使っている。シュタルケルに代表される、スピード感のある曲芸のような演奏はここにはなく、非常に内省的で語らうような演奏。これを聴くと、本来こちらが真の姿ではないかと思える。しみじみ聴けるコダーイ。珍品。モノのみ。コダーイのチェロ作品といえばヤーノシュ・シュタルケルばかりが有名だが、シュタルケルの激情型の演奏が果たして曲の本来の形なのか疑問は残る。例えばハンガリーの名手であるペレーニはかなり大人しく語るような演奏であり、実は激情型の演奏は少数派であるというのが事実である。サードロもまたシュタルケルとは異なる路線ではある。しかしペレーニのような静的な静かな演奏では無い。サードロは両者の中間的ではないが、構成的にはシュタルケル寄りとも言える。但しテンポをかなり落として、たっぷりと語るような表現であり、これは激情型ではない。1960年頃以降LPの片面に収まる無伴奏Op.8が、ここではB面全部+A面の1/3を使っている。かなり時間を掛けた演奏になっている。無伴奏Op.8は決して爆演されてしかるべき曲ではないと思われる。ピッツィカートや重音奏法、急速なトレモロなどの超絶技巧を駆使した難曲として知られているが、これらは単に演奏技巧を誇示するにとどまらない。チェロを通常の擦弦楽器としてだけでなく、撥弦楽器や打弦楽器としても利用することで、華麗で斬新な効果と交響的な印象をもたらし、結果的にチェロという楽器から音色のかつてない広がりを引き出すことに成功している。この曲はよく聴いてみれば、単に楽器の可能性を追求しただけの曲ではないことが解かる。狂詩曲であり、ハンガリー民謡が多分に含まれた哀愁も感じる豊かな作風となっていて、爆演だけで表現しきれる曲ではない。無音も重要な演奏の一部となっており、間の使い方で奏者の考えが理解できる作品である。様々なアプローチが有ってしかるべき曲であり、またそうでなければならない。サードロの演奏はそれを多分に感じられる。あまり注目されないチェロとピアノのためのソナタOp.4も、ゆったりしたテンポと低い重心を保った見事な演奏である。バッハの無伴奏でも評価の高い、サードロの芸格が凝縮した名演といえる内容!
サードロの在庫一覧へ
