商品コード:1354-009[ERATO] F.ヴェルナー/ バッハ:クリスマス・オラトリオB.248(全曲)
商品コード: 1354-009
商品詳細:1963年6月ドイツ・イルスフェルトでの録音。ヴェルナーはロ短調、マタイ、ヨハネ、クリスマスの順に録音。最後のクリスマス・オラトリオを録音し4大宗教作品を完結した。中でもクリスマス・オラトリオはクリスマス用として作曲されたが、日本では季節に関係なく楽しめる宗教曲というよりは、オペラのようなエンターテインメントだと思う。1963年モノラル/ステレオで発売された。初版STEのステレオは希少。ドイツで録音されながらERATO音源という理由で1977年までドイツでは発売されなかった歴史に残る名演である。1963年ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州ハイルブロン郡・イルスフェルトで録音された。フリッツ・ヴェルナーは早い時期にバッハの4大宗教作品をARCHIVのカール・リヒターと競うように録音した。日本ではカール・リヒターの方が有名になったが、当社のお客様なら筆者が言いたいことは既にお分かりだろう。1958年1月「 ロ短調ミサ」、リヒターと同年の1958年の10月に「マタイ受難曲」、1960年10月に「 ヨハネ受難曲」、1963年6月に「 クリスマス・オラトリオ」と完結した。クリスマス・オラトリオは最後となった代わりにステレオも半分近い割合でリリースされた。「マタイ受難曲」と同じくアグネス・ギーベルがソプラノで参加。プフォルツハイム室内o.とハインリヒ・シュッツ合唱団のカンタータ録音等と同じ団体による。ERATOが録音を依頼しただけにフリッツ・ヴェルナーのスタイルは洗練されており、明るく軽く、フランス人ではないかと勘違いするほどである。かといってバッハが持つ峻厳さを上手く表現しており、国際的に広く受容されるバッハ像ではあるまいか。その後ERATOは1960年代後期から宗教作品の録音をコルボに譲ることになる。1970年代のコルボのバッハを聴く都度、ヴェルナーのこのおおらかでありながら美的感覚が凝宿したスタイルを懐かしむことになる。ヴェルナーの録音があるお蔭で我々はk.リヒター/ミュンヘン・バッハ、ギュンター・ラミン/ライプツィヒという別地域の異なるスタイルで愉しむことが出来る。そして同じ曲を異なる演奏で聴くことによって、曲への理解と関心がより深まるのである。フリッツ・ヴェルナー(1898- 1977)はベルリン生まれのドイツ人。1939年にはラジオ・パリの音楽ディレクターとなった。第二次世界大戦後の1946年にハイルブロンのキリアン教会のオルガニスト・カントルとなり、1964年まで務めた。1947年、ハイルブロンでハインリヒ・シュッツ合唱団を創設し、1973年まで指導にあたった。最初はハイルブロン周辺で知られた作曲家ハインリヒ・シュッツの音楽を集中して取り上げたが、後にはヨハン・ゼバスティアン・バッハの多くの受難曲、オラトリオ、モテット、カンタータの録音を残した。ドイツ人でありながら、フランスに近い場所に引っ越し、フランスレーベルに多くの録音を行った指揮者として、宗教音楽界のリステンパルトと言えないか?
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