商品コード:1354-005[ERATO] C.モラーヌ(br) / シューベルト:歌曲集(フランス語歌唱)/セレナーデ, 菩提樹 他
商品コード: 1354-005
商品詳細:カミーユ・モラーヌ(1911 - 2010)はフランス・ルーアンの生まれのバリトン歌手。男性歌手不振の日本でもモラーヌだけは昔から特別扱いを受けている。少年期、ルーアン大聖堂の聖歌隊で経験を積む。サン・エヴォード音楽院を経てパリ音楽院のクレール・クロワザのクラスで学んだ。彼が音楽にプロとして専念しようと決心したのは25歳の時だった。音楽院でオペラとコミックオペラの賞を受賞した1年後、彼は1940年に(まだ本名のカミーユ・モロー名義で)パリのオペラ・コミック座でマルタン・バリトン(楽に高音を出す軽い声の役)でデビューした。これが初舞台となった。クロード・ドビュッシーは、この典型的なフランス風の役のために「ペレアスとメリザンド」のペレアス役を書き、カミーユ・モラーヌは舞台、コンサート、ディスクでこの役を演じた。フランスのラジオで多くの仕事をし、オラトリオ、軽音楽、コミックオペラの夜会に何度も参加し、アンリ・ソゲの「マリアンヌの奇想曲」やダリウス・ミヨーの「オペラ・ミニット」、アルベール・ルーセルの「竪琴の誕生」など、珍しい曲に熱心に取り組んでいた。1962年からパリ音楽院の教授を務め、1981年にスコラ・カントルムに移って教鞭を執った。1983年にブール・ラ・レーヌ音楽院に転じて1985年まで後進の指導に当たった。1992年には初来日して東京芸術大学で講習会を開いた。1981年に退職するまで30年間パリの国立高等音楽院で教鞭を執った。完璧なフレージングを披露するカミーユ・モラーヌは、単に「歌う」のではなく、テキストに適切な音楽的、響きのある内容を与え、それを完璧に理解できるように表現しているようである。カミーユ・モラーヌの同時代人、ジャック・ヤンセン(1913-2002)、ミシェル・デンス(1911-2000)、ウィリー・クレマン(1918-1965)は、モラーヌに近い色調の声を持っていたが、より肉感的で、あまり「抑えられていない」声であった。ジェラール・スゼー(1918-2004)はカミーユ・モラーヌが録音しなかった曲で演奏に新風を吹き込んだが、残念ながら、その声はすぐに気取った声とビブラートに支配されてしまった。「マルタン・バリトン」における唯一無二の歌手として、モラーヌの名声が揺らぐことはないであろう。
モラーヌの在庫一覧へ
