商品コード:1355-045[CYBELIA] P.シュトール/ J.クラ:子供の魂(全3曲), 航海日誌
商品コード: 1355-045
商品詳細:ジャン・クラ( 1879– 1932)はフランス・ブルターニュ半島西端に位置する港湾都市ブレスト生まれの作曲家で海軍士官。郷里ブルターニュの風景や、アフリカ海域での海軍生活に触発された作品を遺した。海軍士官としても活躍し、のちに海軍少将になった。アンリ・デュパルクに出逢っていて、2人は終生にわたって友情を結んだ。デュパルクはクラを「自分の精神的息子」と呼んでいる。フランス海軍における職務のために、音楽に割ける時間はほとんどなかったものの、クラは生涯にわたって作曲を続け、主に室内楽と歌曲を手懸けた。歌劇《ポリュフェーム(Polyphème)》など最も野心的な作品のほとんどが第一次大戦中に作曲されたり、楽器配置を施されたりしているのに対して、大半の作品は大戦後の日付が付いている。作風は印象主義的なところが見られ、ショーソンやドビュッシーから影響を受けたとされる。A面の「子供の魂」はドビュッシーを彷彿とされる抒情的で美しい作品でバレエ音楽か映画音楽のようである。この曲は6手連弾作品として作曲され、「純粋な心」「素直な心」「神秘的な心」の3曲から成り、作曲者自身の手によりオーケストラ版と4手連弾にも編曲されている。知られざるフランス近代音楽の宝ともいえる作品で難解さは全くない。子供を題材にしているためか軽やかでチャーミングな曲。軍人の手から生まれた音楽とは到底信じられない。豊かなイマジネーションの持ち主に違いない。B面の「航海日誌」は交響組曲の形式の3楽章の20世紀初めの管弦楽作品。ドビュッシーの交響詩「海」と似たようなテーマの作品である。航海の記録がオーケストラ音楽として描かれている。3つの楽章それぞれに副題と実際の航海日誌に基づくコメントが付いており、1楽章は「8時から深夜0時まで:大海原のうねり、空は曇り、夕暮れには晴れ、何も見えない」、2楽章は「深夜0時から4時:TBT MTB RDP(美しい天気、美しい海、特別なことはない)、月明かり」、3楽章は「4時から8時:陸地が見える、真っ直ぐ進んでいる」と書かれている。スコアの最後には「トゥーロン、プロヴァンス号にて、1927年12月11日」と記された実際の航海を船上で作曲した作品。クラは1928年に船上で、「私は海にいる数年間をできるだけ有効に使って仕事をしようと思っている。この条件は、何よりも誠実で依頼のない作品、書かれたものに印象を受ける仕事には特に好都合なのだ」と書いている。それがこの作品である。初めて聴くジャン・クラという作曲家。驚くような素晴らしい作品を書いていた。しかも軍人との二足のわらじで書いた作品である。何という才能だろう。数あるCYBELIAのジャケットから最も期待しなかったLPから感動を得た珍しい体験!
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