商品コード:1355-033t[Hungaroton] M.ペレーニ(vc)/ ルトスワフスキ:Vc協奏曲, フランク・マルタン, ファルカシュ・フェレンツ
商品コード: 1355-033t
商品詳細:名盤請負人ペレーニのLPだが、本盤のコンセプトには解説が必要だろう。A面には20世紀ポーランドの超重要作曲家、ルトスワフスキ(Witold Lutosławski)のチェロ協奏曲が入る。半音階を多用するチェロとアドリブ指定まで書かれた伴奏とが折り重なる激しい緩急が魅力的な作品。噛み合えばハーモニー、噛み合わなければ不協音という「偶然性」を重視した、現代作品ならではの劇薬的な表現が成立しているのは、やはり名手ペレーニの技巧力あってこそ。モーツァルトやハイドン的な要素や「春の祭典」を思わせる展開も有り、一本の映画を見終わった様な印象を受ける。現代曲を聴き慣れない人でも表現の多彩さに耳を奪われることだろう。B面に入ってのマルタン(Frank Martin)「チェロと管弦楽のためのバラード」は木管のあしらいがラヴェルを思わせる佳曲。クールなフランス式の管弦楽と情熱的なペレーニとの対比に、ついつい笑みが零れる。続いての「古風な小協奏曲」はハンガリー出身の作曲家フェレンツ(Farkas Ferenc)の作品。冒頭から古典派そのもの。優雅で聴きやすく、爽やかな中にも重厚感が有り、まさに伝統的で「古風」な作品。中間部で大きく曲調が変わり、悲恋的な抒情をペレーニが歌い上げる展開も絶妙。終局に至るまで華やかさが失われず、後味が良い。そして、通して聴いて初めて気付くのが文頭に書いた本盤のコンセプト。現代曲~近代フランス~モーツァルト的古典と、針が進むにつれ時代を逆行し遡る様に曲が収められている。作曲家が三人とも近現代の人物にも関わらず内容が充実しているのは、この構成の妙が有るだろう。逆に言えば、達人ペレーニでなければコンセプトに呑まれてしまっていた可能性が高い。チェロ愛好家に自信を持ってお薦めする珍品レコード!
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