商品コード:1355-012[PHILIPS] W.メンゲルベルク/ バッハ:マタイ受難曲B.244(全曲・一部カットあり)
商品コード: 1355-012
商品詳細:ドイツによる進攻が始まった1939年、オランダ・アムステルダムにて録音された、歴史的傑作として名高いマタイ受難曲。音質は古さもあって万全とは言えないが、空恐ろしいほどの祈りと精神性をひしひしと感じる。伝統的な少年合唱を用い、全員の魂がメンゲルベルクの棒に向かって集中しているのがわかる。これはLP化後の第2版となる3枚組だが、'50年代プレスで音質は十分。オランダPHILIPSの初出4枚組は非常に高額。まずこれで聴いていただきたい。価値あるアルバム!フランスPHILIPSには4枚組は存在せず3枚組が初出と思われる。オランダ・ラジオ放送ユニオンによってラジオ放送用に1939年4月2日にアムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールにてテープ録音されたモノラル・ライブの放送用音源でSPは存在しない。この録音システムは、黒色に塗布されたセルロイドのフィルム上に、サファイア・ガラスの針で刻み込んで録音し、映写フィルム同様に読み取るものらしい(映画のサウンドトラックに利用される方式とほぼ同じ)。この方式により、当時の商業レコードである78回転SP盤よりも長時間かつ、より広い周波数帯域の収録が可能となった。このライヴは1939年第二次大戦直前の復活祭前日の日曜日の演奏で、メンゲルベルクは1899年以来、この祝日に何十年も途切れることなく毎年演奏を行ってきたのだが、同年9月1日にドイツがポーランドに侵攻し勃発する第二次世界大戦により、以降は途絶えてしまったらしい。当時の慣行に基づくカットがある為、現在演奏されるような完全版ではないらしい。具体的には一番大きなカットは、第49曲の中間から一気に第54曲に飛ぶ箇所。この録音の後、オランダが戦禍に巻き込まれる事を予言しているかのような沈痛な演奏は戦争の予兆なくしてはあり得ないほどの空気感を放っていて、聴いていて辛くなるほどのものであるが、重要な記録として人類の遺産ともいうべき録音であることは確かである。
メンゲルベルクの在庫一覧へ
