商品詳細：ペルセフォーヌとは1934年作曲された3場からなるフランス語のメロドラマ。管弦楽・独唱・合唱・語り・舞踊を伴う演劇で、ギリシア神話のペルセフォーヌ(ペルセポネー)の地下世界への旅と再生を主題とする。長年フランスに住んでいたストラヴィンスキーだったが、意外なことにそれまでフランス語に作曲したのは『ヴェルレーヌの2つの詩』(1910年)だけだった。1934年4月30日にパリ国立オペラで、ストラヴィンスキー「春の祭典」や「ペトルーシュカ」のような派手さはない。テノールの独唱と女声による語り(フランス語)、合唱をベースとしている。歌のないバレエ曲とも異なる様々な要素が混ざりあった楽しめる作品である。ペルセフォーヌ役のヴェラ・ゾリーナのフランスの語りが程よいアクセントとなり全体に洒落た雰囲気を醸し出す。ストラヴィンスキー自身の自己評価は高くない曲だが部分的には相当に美しさが際立つ。朗読の美しさは他の曲にはない魅力。演劇作品は映像が無いとだめだと思っていらっしゃる方、それは演奏が貧弱だからである。逆に映像が浮かぶようなドラマチックな演奏こそ後世に残ってゆく音楽だろう。