商品詳細：1903年南米チリに生まれたピアニスト、クラウディオ・アラウ。ベルリンに留学し1914年欧州デビューした。1935年からはベルリンでバッハとモーツァルトの全クラヴィーア曲の連続演奏会を開いた実績を持つ。録音はSP期からあり最初のLPは米DECCと思われる。その後英COLUMBIAに数点のソロを1950年代に入れたがリパッティ、ギーゼキングなど他の影に隠れ名声を得るまでにはいかなかった。1960年頃PHILIPSに移籍したことで多くの録音機会に恵まれ、1960年代(1962-66年)に最初のベートーヴェンPfソナタ全集を完成させた。2回目は同PHILIPSに1980年代(1980-91)に挑戦したが「月光」と「ハンマークラヴィーア」の2曲が未完に終わった。COLUMBIA時代に10曲のモノラル旧録音が存在する。日本でベートーヴェンはドイツ系ピアニストへの絶対的信仰にような風潮がある中、近年ではY.ナットの人気が高まったりしてラテン系ピアニストによるベートーヴェンも再評価できる時代になった。アラウの持ち味である独自のテンポ感やドイツ系とは異なる表現はPHILIPS初回に最も如実に現れている。特にステレオ派の方には時期も良く再評価するに足る演奏と信じる。