商品コード:1180-051[DECCA] R.リッチ(vn) J.カッチェン(pf) / ブラームス:Vnソナタ2番Op.100, 3番Op.108
商品コード: 1180-051
商品詳細:ルッジェーロ・リッチとジュリアス・カッチェンの共演はこれだけではないかと思われる。二人ともDECCAに籍が在り、特にカッチェンはブラームスのピアノ作品全集を録音したほどブラームスを得意としていた。カッチェンが組んだVn奏者で最も録音が多いのがスークだった。チェロのシュタルケルも参加し、1960年代中期からDECCAでブラームスの室内楽作品全曲録音の企画が始まったからである。しかしカッチェンは肺癌に侵されていて、1969年春、わずか42歳で帰らぬ人となった。結局、室内楽作品全曲録音は頓挫したが、Vnソナタ全3曲をスークと録音している。それがカッチェンの2回目で最期のブラームスVnソナタとなった。その時期ルッジェーロ・リッチは米DECCAに移籍していたので、リッチは大きな室内楽のプロジェクトに参加することは無かった。そもそもリッチは大物ソリストとして協奏曲を中心に録音をしていて室内楽作品自体が彼にとっては珍しい録音であったからである。そういう点でリッチのブラームスのVnソナタ録音は大変珍しいタイプの録音であると言える。従ってリッチの音源の中でもこれは極端にプレスが少なったようで当社での初入荷となるDEECAのLPである。2/3番のみで1番の録音はない。リッチのDEECAにおける他の室内楽録音はF.グルダ(pf)とのベートーヴェン7/10番、C.ブゾッティ(pf)とのR.シュトラウス/プロコフィエフ2番、L.パーシンガー(pf)とのパガニーニ作品集、C.ブソッティ(pf)とのウェーバー:6つのVnソナタの4枚で全てではないかと思われる。その後、米DECCAでは別の曲の録音があると思われる。リッチといえばパガニーニといえるほどパガニーニと縁が深いVn奏者である。そんなリッチの演奏は情感を抑えてはいるがほのかにロマンが香り立つ美意識の高いスタイルで意外なほど良い。テンポは変えず淡々と進めるあたりにリッチらしさが漂う。ロマンチック過ぎるブラームスが苦手な方には特にお薦めの録音である。希少性では存分に価値が高い。
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