商品コード:1214-064c[DGG] C.フェラス(vn) J.C.アンブロジーニ(pf) / Vn小品集/アヴェ・マリア, トロイメライ, 愛の喜び, 愛の悲しみ, タイスの瞑想曲, ユモレスク, ホラ・スタッカート, インド人の歌 他全15曲
商品コード: 1214-064c
商品詳細:仏では135 133(チューリップ)、独では135 133(青2本線)が初出。巨匠フェラスが1968年12月パリで僅か3日間で録音したアンコールピース全15曲は聴きもの。既に最盛期を過ぎたVn奏者の生き様が痛々しい。美音が武器だった頃にはない枯れた味わいではある。VSM時代と比べて音色が低下しているのは明らかで、本人もそのことはよく分わかっていた。この演奏は本人にとっても決して納得がいくものではなかったろう。この後は悲劇的な結末が待っている。ピアニストのジャン・クロード・アンブロジーニは恐らくイタリア人と思われるが詳しい情報はない。このLPは2014年6月19日のNHK FMラジオで放送された「ラジオ深夜便」でも紹介され、1曲「タイスの瞑想曲」が放送されたらしい。またフェラスは1971年2度目の来日時、岩崎淑と同様の小品集(14曲)を録音しており、曲は重複しない。それは日本盤のみの発売と思われる。クリスチャン・フェラス(1933 - 1982)はフランス、カレーの生まれ。1944年にパリ音楽院に入学してカペー、エネスクに師事。1949年ロン・ティボー国際コンクールにおいて1位なしの2位を受賞した。その会場でピエール・バルビゼと知り合い、生涯にわたるデュオを組むこととなる。DECCA、EMIに素晴らしい録音を残した。1964年カラヤンの口利きでDGGに移籍し、カラヤン付きのソリストとして多くのメジャー協奏曲を録音した。バルビゼとの共演でも、ブラームス、シューマン、フランク、ルクーのヴァイオリン・ソナタを録音した。1975年には、その功績によってパリ音楽院より表彰されたが、健康の不調を理由に、公的な活動からは退く。原因はアルコール中毒と言われており、演奏活動の極度のストレスとうつ病が原因らしい。これらのことからカラヤンのプレッシャーが原因との説が囁かれている。1982年フランス、ヴィシーでバルビゼとの演奏会が最後となった。それから3週間後の9月14日に自宅アパートの10階から投身自殺した。ピアニストと異なり演奏家寿命が短いヴァイオリン奏者。しかしフェラスは30年以上第一線で活躍した。この小品集はもう1950年代のような輝かしい音が出せなくなった落ち目の記録でもある。しかし彼の生涯を知った上で聴けばまた違った面が見えてくる。周りの期待に応えるために己をある意味偽り、追い込んでしまった一流音楽家が壊れてゆく過程が、彼が人生をかけた音で綴られている。DECCA時代のフェラスを知る方には理解されるだろう。ピアノにアンブロジーニを選んだのは親友バルビゼには見せられない何かがあったとしか思えない。これがDGG最後の録音となった。
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