商品コード:1214-031n[MELODIYA] Y.ローズム(pf) / リスト:超絶技巧練習曲10番, 11番, ハンガリー狂詩曲6番, アルベニス, ファリャ
商品コード: 1214-031n
商品詳細:ユーリー・ローズムは1954年生まれの男性ピアニスト。LPでの録音は僅かこの1枚だけである。ユーリー・ローズム国際慈善基金なる組織が有るが、ほとんど無名に近い。父はA.ローズム、母は声楽家のロジェストヴェンスカヤというサラブレッド。僅か33歳で名誉芸術家の称号を得た。技巧は申し分なく、指が高速回転する。リストのような曲が似合うようだ。故左藤泰一氏も注目していたピアニストだが、氏の著書にも系譜は記されていない。モスクワでナウモフ、マリーニンに師事していることからネイガウス一派である。硬質な音と現代感覚で個性は強い。ロシアが世界に先駆けて作った超人製造システムによりこの世に現れたピアノ・マシーンのような完全無欠のピアニスト。良い意味で人間離れした所を感じる。体力、精神、技術で最後のふるいに残ったスーパーマンの素質を宿した一握りの鬼才である。そんな超絶ピアニストでも録音が1枚だけという現実。この後、教育者の道に進んだと思われるが、あまりに厳しいその世界は想像を絶するものが予想できる。我々にとっては只の1枚だが、その1枚さえ出すことが叶わなかった何千、何万という卵たちを想像すると、この1枚がどれだけの価値のあるものであるかご想像いただきたい。A面のリスト2曲は難曲で知られる12の練習曲である。2度にわたる改訂が行われており、初版と第2、3版では曲順が異なる。この演奏がどの版か不明だが、第2稿の「24の大練習曲」については、よく演奏される第3稿に比べるとはるかに難度が高い。しかし、演奏効果は第3稿の方が高いという見識が一般的なので、第2稿がコンサートで演奏される事はほとんど無いに等しい。かの大ピアニスト、クラウディオ・アラウ、偉大なピアノ教師ゲンリフ・ネイガウスの2人ともが「演奏不可能」との見解で一致している。スーパーマンのようなピニストに弾かれた演奏でこそ、曲に神髄が見えてくるのでは?ロベルト・シューマンの音楽エッセイ集『音楽と音楽家』には、1837年時点での「24の大練習曲集」についてのエッセイが収められており、内容は以下のようになっている。「この曲は巨匠による演奏で聴かなければならない。できる事ならば、フランツ・リスト自身による演奏がいいだろう。しかし、たとえリストが弾いても、あらゆる限界を超えたところや、得られる効果が、犠牲にされた美しさに対して、充分の償いとなっていないようなところでは、耳障りな箇所がたくさんあるだろうと思う。しかし何はともあれ、来るべき冬の彼の到着は、心から待ち遠しい。」ローズムは広いコンサートホールの隅まで正確で完璧な音を届けられる数少ないピアニストの一人。
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